パリッと香ばしい硬めの「ハード系パン」。
かみ切るのに力は必要ですが、それでも食べたいおいしさです。ハード系の種類とは。どんな店があるのか。奥深い世界をかみ締めましょう。(情報は取材時の内容です)

パン工房ブレッド(高岡市)

中身ぎっしり 食べ応え十分

 「ハード系パンを主に提案したい」という思いから、1991年に高岡古城公園近くでオープン。現在は氷見市との境にある自然豊かな場所に店を構える。ラインアップの大半はハード系で、郊外の立地にもかかわらず、多くのパン好きが足を運んでいる。

「ライ麦のカンパーニュ」(1個490円) 健康志向の女性に人気。ライ麦が香ばしい

 「ライ麦のカンパーニュ」はライ麦粉と小麦粉などで生地を作り、表面に国産の押し麦をまぶしている。中はぎっしりと詰まり、食べ応え十分。一見硬そうだが、中はやわらかく、押し麦で食感が変わるのが楽しい。爽やかな酸味も特徴で、肉料理と合わせると、よりおいしく味わえそうだ。

「カンパーニュ」(1個490円)全粒粉の小麦を使用。そのまま食べるのもよし、サンドイッチに使ってもよし
「カンパーニュ・レザン・フィグ」(1個550円)トルコ産イチジクとサルタナレーズンが入り、生地がもちっとしている

サワダクラフトベイカリー(富山市)

香ばしさと酸味 後を引く

 フランスパンといえば、丈長の形。縦に切り込みを入れた「バタール」は、県産小麦「ゆきちから」の全粒粉や、池多りんごとオーガニックレーズンによる自家製天然酵母などで作る。全粒粉の香ばしさと酵母のほのかな酸味が感じられ、後を引く。オーナーの沢田郁夫さんは「やみつきになるお客さんもいます」とほほ笑む。

「バタール」(1本400円)長さ約30cm。鹿児島県種子島産の粗糖や全粒粉によって、茶の焼き色が際立つ

 「バタール」と同じ生地を使い、フルーツを入れたハード系もそろえる。甘みがあるパンには、テイクアウトで提供する水出しアイスコーヒー「COLD BREW COFFEE」を合わせよう。

「フルーツ」(1個400円)パイナップルやアプリコットなど5種類のドライフルーツが入る
「オレンジレモン・クリームチーズ」(1個290円)クリームチーズが真ん中にずっしり。オレンジとレモンのピールを生地に混ぜている

BeBe(べべ、高岡市)

かみ応えともちもち共存

 毎日作る「チーズパン」はバゲット用の生地に水を多めに加え、ナチュラルチーズをたっぷりまぶして焼き上げており、かみ応えともちっとした食感が共存する。真ん中の切り込みにはチーズがたまり、味の変化が楽しい。2代目の山田勇作さんは「おつまみとしてビールやワインに合う」と勧める。

「チーズパン」(200円)チーズを惜しげなく使用。自家製酵母を用いる

 2000年に西高岡駅近くで創業し、19年に程近い現在地に移転した。総菜パンや菓子パンをメインに扱う中、トレンドに合わせてハード系を増やした。ウインナーを包んだ「ロングフランス」や、ジャガイモを使った「じゃが丸」は、ともにフランスパンをベースとし、人気を集めている。

「ロングフランス」(1本280円)45㎝ほどの長さで目を引く
「じゃが丸」(1個180円)北海道産のジャガイモやベーコンに黒こしょうが効く

撮影:南部スタジオ