パリッと香ばしい硬めの「ハード系パン」。
かみ切るのに力は必要ですが、それでも食べたいおいしさです。ハード系の種類とは。どんな店があるのか。奥深い世界をかみ締めましょう。(情報は取材時の内容です)
パン工房 Bäckerei 福十(ベッカライふくじゅう、小矢部市)
ほんのり酸味香る ドイツの定番パン
ドイツパンやフランスパンなどの食事パンを中心に、店頭にはいつも約40種類のパンが並ぶ。おすすめはドイツの定番「ミッシュブロート」。ライ麦と小麦を同じ割合で配合しており、ライ麦特有の酸味が中和されて食べやすい仕上がり。肉にも魚にも合うオールマイティーなパンなので、サンドイッチにして食べるのもおいしそう。
店主の福田裕一さんは30代のころ、たまたま食べたハード系パンに感動し、2006年に思い切って脱サラ。祖母の菓子店を改装して店をオープンした。「硬くて何も入っていない。それでも飽きが来なくておいしいのがハード系パンの魅力です」と話している。

(左から)「バタール」(345円)「キタノカオリのバゲット」(378円)スタンダードな製法で仕上げたバタールと、北海道産小麦「キタノカオリ」を使った甘い香りが特徴のバゲットを提供している
BAKERY SENGOKU(ベーカリーセンゴク、富山市)
ライ麦100%の本格パン
住宅街の一画にたたずむこぢんまりとしたベーカリー。15年ほど前に客から強い要望を受けて見よう見まねで作り始めたドイツパンは、県内での希少さと相まって、今では多くの客が目当てに訪れる人気パンだ。
中でも注目なのがライ麦100%で焼き上げた「ドイツブロート」。中身がぎっしりと詰まった重量感のある仕上がりで、小麦のパンよりもビタミンBやミネラル、食物繊維がたっぷり。ライ麦の発酵種を使っているので、かみしめるほどに酸味がじわっとあふれ、蜂蜜やジャムはもちろん、料理との相性も抜群。スライスして一緒に食べるのが通の食べ方だ。
撮影:南部スタジオ