パリッと香ばしい硬めの「ハード系パン」。
かみ切るのに力は必要ですが、それでも食べたいおいしさです。ハード系の種類とは。どんな店があるのか。奥深い世界をかみ締めましょう。(情報は取材時の内容です)

ブーランジュリー グランオム(高岡市)

受賞歴誇る店の限定品

 カリフォルニア・レーズンのパンやピーカンナッツのレシピなどを競う大会に出場し、ハード系で栄冠を勝ち取ってきた。東京の伊勢丹新宿店で期間限定の出品が始まり、快進撃が止まらない。「今後もコンテストに出て受賞を目指したい」とオーナーシェフの小嶋慎一郎さん。今、目が離せないパン店だ。

「レモンミルクバター」(280円) 小ぶりなフランスパンに切れ目を入れ、自家製バターを絞った

 4〜9月限定で自店で販売する「レモンミルクバター」は、シンプルなフランスパンにレモンとバター、練乳で手作りしたレモンミルクバターをサンド。さっぱりとした味で、おやつにぴったり。コーヒーと組み合わせて憩いのひとときを過ごそう。

「バゲット高岡」(1本367円)富山県をイメージし、バゲット生地に塩昆布や玄米、白ごまを練り込んだ
「北海道あんバター」(1個324円)中尾清月堂(高岡市)のあんこと北海道産バターが目立つ
 
 

パンアリエ(富山市)

厳選素材で丁寧に

 「子どもから大人まで安心して食べられるものを」と県産の小麦や牛乳、ミネラル豊富な砂糖「洗双糖」など良質な材料にこだわっている。店主の森和宏さんは野菜ソムリエの資格を生かし、パンに合わせる野菜も厳選。ソースやあんなども手作りしており、丁寧な仕事が光る。

「野菜のオープンサンド」(400円) 自家製トマトソースと粉チーズが野菜の甘みによく合う

 「野菜のオープンサンド」は見た目も華やかな人気商品。「野菜の甘みをしっかりかみ締めてもらいたくて、バゲット生地を使いました」と森さん。オープンサンド専用に焼き上げた生地に、地元産を中心とした野菜をのせた。バゲットと野菜、互いに引き立て合う絶妙なバランスを楽しんで。

「バゲットF」(1本330円)全粒粉に近い粉と石臼びきの粉をブレンド。小麦の風味がしっかりと味わえる
「丸パン」(1個90円)伝統的なバゲットのミニサイズ。やわらかめで食事のお供にぴったり
 
 

ベーカリー ごパン(氷見市)

昆布のうまみじんわり

 「毎日食べるお米のような、日常になじむパンを目指しています」と話すのは、店主の午房洋平さん。ハード系は「いろんな世代の人が食べやすいように」と高温で一気に焼いて水分を閉じ込め、皮はやわらかく、中はモチモチに仕上げている。

「こんぶチャバタ」(1個162円)バター、牛乳不使用のヘルシーな生地に細かくカットした昆布を加えた

 「こんぶチャバタ」は生地に昆布を混ぜ込んだ、富山ならではの一品。じんわりと昆布の風味が広がり、そのままはもちろん、具材を挟んでサンドイッチにするのもおすすめだ。「ハード系パンを身近に感じてもらうきっかけになれば」との思いを込めて、今日も一つ一つ丁寧に焼いている。

「くるみとレーズンの黒パン」(1個237円)表面にまぶした雑穀が香ばしい。レーズンの甘みが一層染み込んだ翌日も味わい深い
「ごぼうとくるみのスティック」(1本270円)具材の食感を生かすため細く成形。ゴボウサラダの風味と食感を楽しんで
 
 

撮影:さいとう写真事務所