「ジャムパンはないのか」と言われたけど
ハード系パン作り30年 Bob(富山市)店主 畠山誠さん
ハード系パンという言葉に耳なじみがなかった30年近く前から、富山市奥田双葉町の「石窯で焼くパンの店 Bob」は、硬めのパンをそろえています。店主の畠山誠さん(68)に、種類や魅力などを聞きました。(情報は取材時の内容です)

ーハード系パンというと、バゲットやバタールといったフランスパンが思い浮かびますが、どんな種類がありますか。
小麦が主体のものと、ライ麦が主体のものがあります。
「Bob」は1994年5月に開店した当初、小麦粉を使うフランスパン2種類のみを扱っていました。その一つが、カンパーニュです。田舎風パンとも言いますね。カンパーニュは小麦粉と水、塩、酵母の最低限の材料で作ります。私の店では、石臼でひいた粗い粉を使って「石うすカンパーニュ」という商品名で売っています。
ライ麦を使うドイツパンも作っています。サワー種という酸っぱい種を使います。
ー開業時、フランスパンだけ扱う店というのは、県内では珍しかったのでしょうか。
まあ、なかったでしょうね。昔はお客さまに「ジャムパンやクリームパンといった菓子パンはないのかね」とよく言われましたから。今は硬いパンを求める方が増えました。

ー潮流が変わったと感じた時はありましたか。
徐々に変わってきたというか。だんだんそういうお客さまが増えてきたというか。インターネットが普及していなかった頃なので、お客さまに口コミで広げていただいて。
ーハード系の魅力はどんなところでしょう。
食事用というところですね。私がフランスパンを手掛けるようになったのは、兄がフランス料理店をやっていて、食事に合うパンを作りたいと思ったからなんです。それがハード系だった。パンは料理を引き立てるものなんです。おいしい料理においしいパンを合わせて、ほっとしてもらいたいです。
ー現在、ハード系は何種類をそろえていますか。
24種類あります。シンプルなフランスパンのほか、レーズンやクルミが入ったパン、全粒粉が入ったものなどをそろえています。全粒粉を使ったパンは昔から扱っていますが、近年人気ですね。徐々に種類が増えていきました。食物繊維が多いところが気に入られています。
ーたくさんの種類がありますが、どういう視点で選べばいいでしょうか。
初心者の人には、フルーツが入った甘いパンやクルミが入ったパンが食べやすいかな。

撮影:南部スタジオ