パリッと香ばしい硬めの「ハード系パン」。
かみ切るのに力は必要ですが、それでも食べたいおいしさです。ハード系の種類とは。どんな店があるのか。奥深い世界をかみ締めましょう。(情報は取材時の内容です)
パンドール(富山市)
生ハム シンプルにサンド
幅広いジャンルをそろえる老舗に、ハード系が増えている。店主の息子、山崎達也さんは「僕が好きなので」と笑いながら理由を明かす。来店客に手に取ってもらえるか不安があったと言うが、売れ行きは上々。水を多く加えることでもちもちとする多加水パンが注目されている。

「生ハムのジャンボンブール」(324円) 麦芽糖や天然酵母を生かした生地に、生ハムの塩気がマッチ
「生ハムのジャンボンブール」は、水分が多めのフランスパン「リュスティック」を使ったサンドイッチ。フランス産と日本産の小麦をブレンドしたリュスティックに切れ目を入れて、有塩の「よつ葉バター」を塗って生ハムをシンプルに挟む。ペアリングには、コーヒーやワインがおすすめだ。

「明太フランス」(1個270円)バゲットやバタールの生地を使用。自家製のめんたいこソースをかける

「パン・オ・レザン・ノア」(561円)クルミとレーズンが詰まっている。紅茶やコーヒーと合わせたい


ベッカライ クラモト(滑川市)
耳まで香ばしいハード食パン
ハード系は10種類余りそろえ、午後に焼き上げる。2006年の開業当初は菓子パンが多かったが、お客さんの声に応えるうち、食事に合うハード系が充実してきたそう。店主の倉本瑞子さんは「特別なことはしていませんよ」と話すが、石臼びきの粉やライ麦を使うなど工夫を凝らしている。

「くるみハード食パン」(390円) フランスパン生地を食パン型に入れて焼き上げた。そのままでも、トーストしてもおいしい
「自分の家族にも食べさせたいものを作っています」と倉本さん。フランスパン生地で作る「くるみハード食パン」にもその思いが込められている。2種類の粉をブレンドして風味を増し、砂糖は不使用。耳までさっくり香ばしく、素朴なおいしさに思わず笑顔がこぼれる。

「カレンズ」(260円)ライ麦を50%配合した生地に山ブドウがたっぷり。ワインと相性がよい

「くるみとチーズ」(1個260円)蜂蜜をかけても美味。こちらもライ麦が入っている


撮影:さいとう写真事務所