パリッと香ばしい硬めの「ハード系パン」。
かみ切るのに力は必要ですが、それでも食べたいおいしさです。ハード系の種類とは。どんな店があるのか。奥深い世界をかみ締めましょう。(情報は取材時の内容です)

OZ BREAD(オズ ブレッド、滑川市)

小麦の素朴な甘みを堪能

 白を基調としたスタイリッシュな店内に、端正なパンが並ぶ。添加物を極力避けて国産の小麦粉を中心に使用し、ハード系は低温長時間発酵で素朴な甘みを引き出す。「ロデヴ」は一見硬そうだが水分量が多く、もっちりとして歯切れがよい。酵母は自家培養したルヴァン種を使用し、やわらかな酸味が感じられる。

「ロデヴ」(1個500円)スライスすると粗い気泡が現れる。厚めに切ってトーストするのがおすすめ。焼き上がりは13時ごろ

 レーズンを使った発酵種で作る「くるみパン」や「プルーン・カシューナッツ」は優しい味わいで、バゲット生地をベースにした総菜パンも充実。どれも粉が持つ風味をしっかりと伝えている。

「くるみパン 1/2」(1個270円)レーズンの発酵種で甘みと香りをプラス。クルミの食感が小気味よい
「プルーン・カシューナッツ1/2」(1袋320円)クラスト(皮)を薄めにしてやわらかく仕上げた。レモンピールがアクセント

Weiss(ヴァイス、高岡市)

豊かな風味 料理引き立てる

 三角のフォルムがユニークな「パン・ア・ラ・ビエール」。フランス北東部のアルザス地方発祥のパンで、表面にはビールとライ麦を混ぜた生地が上掛けしてあり、パリッとした食感で香ばしい。中の生地はジャガイモが練り込まれ、きめ細かくしっとりしている。

「パン・ア・ラ・ビエール」(1個660円) ほのかな酸味が料理の味を引き立てる

 「主張しすぎず、一緒に味わう料理を引き立てるのがパンの役割」と店主の青島達也さん。修業先のフランスで学んだ配合で作るパンは、かむほどに豊かな風味がにじみ出る。各商品は風味や食感のバリエーションがそれぞれ豊かで、どんな料理に合わせようかとイメージがどんどん膨らんでいく。
 

「コンプレ」(小1個190円)北海道産の全粒粉が香り高い。自家製発酵種を使い、フランスで学んだ製法で作る
「セレグレーヌ」(ハーフ1個390円、土・日曜、祝日限定)アルザス地方の雑穀パン。水分量が多めでふわふわの仕上がり

撮影:南部スタジオ