
写真右:コノコトレポーター 滝脇さん親子(富山市在住)
タニハタ(富山市上赤江町)

海外からの注文が2割
「組子って知ってますか? 飛鳥時代から続く日本の木工技術で、薄く削った木片を組み込んで作ります」。谷端信夫社長が、木の香り漂う展示室で会社の歴史を話します。

タニハタは1959年から組子製造を始めました。住宅の洋風化に伴って注文が減った時期もありましたが、2000年にインターネット販売を始めたところ、再び注目を集め、国内外の高級レストランやホテルで間仕切りや引き戸などに使われるようになりました。現在は海外からの注文が2割を占めます。
展示室には、組子で作られた大きなテーブルがありました。天井の照明を受け、床に組子の美しい影が映し出されています。
再生可能エネルギー100%
続いて工場を見学しました。職人たちが木材をかんなで削ったり、木片を組み合わせたりしています。



頭上には、作業で出たおがくずを集める大きなパイプが走っていて、機械につながっていました。「材料は国産のヒノキやスギ。これらを最後まで無駄なく使うため、おがくずを固めてストーブの燃料にするんです。冬はおがくず燃料のストーブだけで工場を暖めています」と谷端社長。
工場屋根には太陽光発電設備があり、足りない分は契約する水力発電から供給を受けていて、谷端社長は「再生可能エネルギー100%の工場なんです」と胸を張ります。
スマホスタンド作りを体験

子どもたちは、組子のスマホスタンド作りも体験しました。2.3ミリの薄さの木片を、正方形に仕切られたスペースにはめ込んでいきます。「なかなか入らない」と苦戦する子どもたちに「力任せでうまくいきません。隅に押し込む感じで」と職人がアドバイスします。最後はかんなをかけて仕上げました。



・木片が割れてしまったりして難しかったけれど、完成したら達成感があった。
・いろんな形の組子があって、ハート形もあってかわいかった。
・実家にらん間はあったけれど、それほど注目して見たことはなかった。今回工場を見学して、特に影の美しさは感動的で、組子に魅了された。
・日本の伝統産業のすばらしさを再認識した。若い職人さんがたくさんおられたことにも驚いた。
タニハタ
住所:富山市上赤江町1-7-3
営業時間:平日9:00~17:30
製作体験と工場見学は団体(10~30人)が対象。要予約
体験料:1人1000円~(再作物によって異なる)