本紙文化面の連載企画「たてものに会いにいく」は、建物の専門家である建築家をナビゲーターとして県内の建造物を巡り、魅力に迫っている。webunプラスでは、ナビゲーター自身の建築に対する姿勢や仕事内容など、紙面で書き切れないエピソードを紹介する。第11回は大楠安紀1級建築士事務所の大楠安紀さん(67)。紙面では砺波郷土資料館を紹介してくれた。

自宅のデスクでほほ笑む大楠さん

 1級建築士と聞くと、建物の設計業務を思い浮かべる人が多いのではないだろうか。だが大楠さんは木造住宅の耐震改修が専門だ。住宅の耐震診断や改修工事の監理、補助金の申請などを一貫して担っている。

 県内の住宅の耐震化率は全国平均の87%を下回る約80%(2018年)。住宅の面積が広くて工事費用がかさむことなどが原因とみられ、

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