本紙文化面の連載企画「たてものに会いにいく」は、建物の専門家である建築家をナビゲーターとして県内の建造物を巡り、魅力に迫っている。webunプラスでは、ナビゲーター自身の建築に対する姿勢など、紙面で書ききれないエピソードを紹介する。第10回は入善町横山の建築設計室21の岡大輔さん(42)。紙面では射水市二口(大門)の国登録有形文化財「吉田家住宅」を紹介してくれた。

自身が設計した自宅のリビングでほほ笑む岡さん=入善町

 岡さんは1981年、京都府宇治市生まれ。高校生の頃、偶然手にした富山大のパンフレットに載っていた立山連峰の写真に目を奪われ、同大工学部へ進んだ。機械工学を学び、同大大学院を修了後、島津製作所(本社・京都府)へ入社。神奈川県にある同社の拠点で機械の設計、開発に携わり、台湾でも勤務した。

岡さんが設計した住宅。窓から見える竹林が印象的だ=入善町

 仕事はやりがいがあったが、より自身の思いを反映させたものづくりをライフワークにしたいと考え、30歳になるタイミングで以前から興味のあった建築の道へ進んだ。富山の美しい風景が

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