4月13日に開幕した大阪・関西万博。10月13日までの会期中、世界各地の国・地域の賓客を迎える迎賓館のエントランスを、立山町虫谷の和紙職人、川原隆邦氏が制作した和紙アートの作品(1・5メートル×6・5メートル)が彩っている。作品制作は、川原氏が日本各地を訪れて厳選した富山など7都道府県の素材を使い、日本の自然や風土を表現した和紙の新たな形を模索する試みだ。「BIRUDAN」をシリーズタイトルとし、会期中に入れ替えながら計7作を発表するが、迎賓館には一般客が立ち入ることはできない。川原氏が各作品を解説し、それぞれに込めた思いを全7回にわたって語り尽くす。(聞き手・柵高浩)
※作品入れ替えに合わせて随時掲載します

シリーズ2作目は、北海道の雄大な大地を表現した「Earth’s Heartbeat」=大阪・関西万博会場内の迎賓館
作品から漂う北海道のにおい
シリーズ2作目(5月9日~6月3日まで展示)は、北海道の雄大な大地を表現した「Earth’s Heartbeat(アースズ・ハーヴェスト)」。北海道の大地そのもので制作しようと、十勝平野の「牧草」と平原の 「土」を素材に使った。
残り1257文字(全文:1751文字)