昔懐かしいアーケードゲーム機やパチンコ、スロット台ー。ノスタルジー漂う雰囲気に、テンションが上がる人も多いだろう。高岡市戸出のゲームセンター「オートレストランぞうさん」には、昭和期に流行したゲーム機などが多く置かれ、地域住民から40年以上愛されている。
その一角でひときわ存在感を放つのがハンバーガー自販機だ。故障により長らく眠っていたが、10月に突然現れた「とある人物たち」の手で修理され、約20年ぶりの再稼働を果たした。
昭和期に流行した「レトロ自販機」は、愛好家から絶大な人気を誇り、今回の復活にも県内外から注目が集まっている。往年の「昭和の名物」の実態やいかに。記者が魅力や背景に迫る。

なぜ人気?
うどん、そばをはじめとする麺類やトーストなどの軽食を扱う自販機はかつて、長距離ドライバーや家族連れから人気を博した。しかし、24時間営業のコンビニや大手チェーン店の登場により、流行は下火に。
このまま消えゆく存在かと思われたが、それは杞憂だった。2024年に放送されたNHKの番組「ドキュメント72時間」のレトロ自販機の回は、同年の視聴者投票で歴代1位を獲得。時代の流れに逆らうかのような根強い人気がうかがえる。
かつての時代を過ごした人たちは「懐かしい」と感じ、若者たちには逆に「新しい体験」として映る。レトロ自販機は幅広い年代層を魅了する存在となった。
復活への道のり
「ぞうさん」は、オーナーの東海トシ子さん(84)と娘の亮子さんが主に運営。ハンバーガー自販機は約40年前に店を始めた当初から設置していたが、20年ほど前に壊れてしまった。
復活に至ったきっかけは、とある愛好者たちからの打診だった。「あのハンバーガーの自販機、僕たちが直します」ー。
