いてつく寒さがこたえる季節、私たちを救うのはスープ。
お出かけ先で寒い思いをしたら、お店に駆け込んで注文。
器を両手で持って暖を取りたい。
おうちにいろんな種類をストックして、ゆったり味わいたくもなる。
栄養が取れてほっと一息。体と心に染み渡る、そんなスープが恋しい。(情報は取材時の内容です)

藍菜坊(あいさいぼう)(黒部市)

担々・塩・しょうゆの水ギョーザ 中国3地域を旅気分

「こだわり三國水餃子」 (800円) 水ギョーザは全て「黒部の名水水餃子」。黒部名水ポークを使ったあんを、県産米粉を練り込んだ皮で包んだ

いろいろなスープを一度に味わえたら…。そんなスープ好きの欲望を満たすメニューが、黒部市の中華レストランにある。3種類の水ギョーザスープのセット「こだわり三國水餃子」だ。

3種類は、四川風担々と広東風あっさり塩、上海風熟成しょうゆ。四川風は自家製ごまペーストを使い、ラー油を効かせた。広東風は3種の塩をブレンドしたたれにシャンタンスープを加え、シンプルな味に。上海風はしょうゆの香りが深いたれを用いるのがこだわりだ。

「中国の3地域を旅する気分を味わってもらいたくて」とオーナーシェフの本瀬藍一朗さん。四川と広東、上海の味を一緒に楽しもう。

中華コーンスープ(350円) 北海道産トウモロコシの良さを引き立たせるため、味付けはシンプルに
オーナーシェフの本瀬藍一朗さん(左)と 妻のつかささん

コリアンスタイル チング(富山市)

キムチの辛味と豆乳のまろやかさがマッチ

「三枚豚とキムチの豆乳スープ」(1,000円) 豆乳スープにキムチの辛味と豚肉のうまみが加わり、こく深い味わいに。体がぽかぽかと温まる

富山市の街なかにある創作韓国料理店。5種類あるスープメニューの中で1番人気を誇るのが「三枚豚とキムチの豆乳スープ」だ。豚肉と野菜をごま油で炒め、豆乳と鶏がらスープでクリーミーなスープに仕上げた。キムチの程よい酸味と辛味に、豆乳のまろやかさがマッチしている。ご飯を入れてクッパにしていただくのもおすすめだ。

「牛カルビ入りユッケジャンスープ」(1,200円) やわらかい国産牛のカルビと、ホウレン草や玉ネギなどの野菜がたっぷり

スープは夜に単品メニューで用意するほか、ランチタイムはライスや副菜などが付いたセットで提供している。「スープは寒い季節はもちろん、夏も人気があります」と店主の林誠道さん。ピリ辛スープで体の中から温まって。

スタッフの藤井泰誠さん

サムラップ(南砺市)

生ハーブが生み出す 奥深い香りと味わい

「トムヤムクン・ナムサイ」 コース(5,000円、要予約)の一品として提供。コースに入らない場合があるので確認がおすすめ

タイ料理の代表的なメニューといえば「トムヤムクン」。世界三大スープの一つとされ、2024年12月には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録された。南砺市のタイ料理店「サムラップ」では、透き通ったスープですっきりとした「トムヤムクン・ナムサイ」が味わえる。「タイ料理ならではのフレッシュな香りを楽しんでください」と店主の石田牧子さん。一から手作りしており、レモングラスやコブミカンの葉といった生ハーブのすがすがしい香りが鼻を抜ける。辛味や酸味、うまみが複雑に絡み合い、奥深い味わいと爽やかな余韻に魅了される。

コース(5,000円)の一例
コースは料理7品にプチデザートとコーヒーまたは紅茶が付く。写真は春雨に辛味と酸味が絡む「ヤムウンセン」(手前右)と、スパイスの香りが際立つ「マッサマンカレー」(左)
店主の石田牧子さん

撮影:南部スタジオ、竹田泰子