通な人は知っています。コース料理として出す高級路線の焼き鳥店が、富山で続々とオープンしていることを。
焼き鳥といえば、気軽に行きやすい定番のお店も外せません。野菜串に力を入れる店も人気を集めています。
「一本ずつのコース」と「定番」、「野菜串」とジャンルを分けて紹介します。クリスマスのような特別なシーンにも、ふらっと飲みに行くのにも、焼き鳥は合うんです!(情報は取材時の内容です)

炭火焼鳥 縁(えにし)(入善町)

軍鶏の歯応えと力強いうまみを堪能

左から軍鶏(しゃも)の「ネギマ」(350円)、「皮」(340円)、「そで」(450円)、若鳥の「せせり」「つくね」(各200円)
軍鶏と若鳥の食感の違いをぜひ食べ比べてみて

グリーンの内装がおしゃれな焼き鳥店。こちらでまず味わいたいのは、引き締まった肉質が特徴の軍鶏(しゃも)だ。串焼きは、ねぎまや皮といった定番をはじめ、ハツや脇にあたる「そで」などの希少部位を用意。埼玉県産の軍鶏を上質な備長炭で焼き上げる。炭の香りが食欲をそそり、弾力のある歯応えが心地よい。かむごとに力強いうまみが感じられ、一度食べたらとりこになりそうだ。軍鶏は細かい下処理が必要だが、店主の勝田純吉さんは「手間をかけるほどおいしくなります」と力を込める。

「軍鶏親子丼」(1,300円)
火~金曜のランチメニュー。こくのある赤玉を使い、甘めの関東風に仕上げた

こだわりの軍鶏の親子丼や、ジューシーな若鳥の串焼きなども要チェック。

店主の勝田純吉さん

 

手羽先とり料理 とり新(砺波市)

ふっくらしっとり 個性際立つ銘柄鶏

「錦爽どりの焼き鳥十種盛り」(1,980円)
プリプリ食感の「ぼんじり」や滑らかで濃厚な「きも」など、いずれも味わい深い

JR砺波駅前に、昭和の風情漂う居酒屋やスナックが軒を連ねる路地がある。その一角で多彩な鶏料理を提供しているのが「とり新」。愛知県の銘柄鶏「錦爽どり」や地鶏「名古屋コーチン」を取りそろえる。やわらかさが持ち味の錦爽どりは特に女性から人気が高い。焼き鳥で味わうならいろんな部位が楽しめる10種盛りがおすすめ。焼き台はあえて電気式を用い、鶏肉本来の香りや味わいを際立たせる。ふっくら焼き上げた「ささみ」はしっとりしていて上品なうまみが広がる。「皮」は脂の甘さと香ばしさがたまらない。部位ごとの個性をお酒と一緒に堪能しよう。

「骨付き若鳥」(1,320円)
大ぶりの骨付き肉はクリスマス気分が味わえるかも。ガーリックオイルの香りが食欲を刺激する
店主の金田哲生さん

撮影:竹田泰子、南部スタジオ