南砺市の園芸農家「フラワーンダフル千華園」は、エディブルフラワーを生産し、県内外へ出荷しています。スターシェフからも引き合いがある園の代表、石村修子さんにインタビューしました。石村さん、そもそもエディブルフラワーってどんなものなんですか? 特別なお店じゃないと楽しめないものなんですか?(情報は取材時の内容です)

エディブルフラワーを丁寧に摘み取る石村修子さん

—エディブルフラワーの生産農家は、富山では珍しい存在ですよね。

県内の花農家では、うちだけじゃないかな。2012年ごろ、南砺市が企画した郷土料理にときめいてもらうためのプロジェクトに参加した時、築地市場に行き、エディブルフラワーを初めて知りました。魅力を感じてプランター10個から育て始めて、おかげさまで今では、多くの店から注文をもらっています。一年を通じて、ビオラやナデシコ、バーベナなど40種類を出荷しています。

—花壇で見られるビオラやナデシコもエディブルフラワーとなるんですね。食べられる花と食べられない花の線引きは?

育て方かな。観賞用の花は一般的に農薬を使って生産されますが、うちのエディブルフラワーは土から全く違います。殺虫剤や化学肥料などを使っていないので、安心して食べてもらえます。「食べてもいいのかな」と戸惑う人もいますが、口にして安心安全だと伝えると、残さず食べてもらえますね。

多彩な種類を生産する

—どんな味がしますか。

野菜みたいな味。ほとんど無味無臭で、料理の邪魔をしません。ビタミンやミネラルといった栄養素を含むことも知ってもらいたいですね。花の形をした野菜を育てている、って感じます。

—エディブルフラワーは、特別な席での料理で使われるイメージがあります。家庭でも楽しむことはできますか?

ゼリーや氷に入れるのがおすすめです。今回、ゼリーは3層にわけてエディブルフラワーを入れてみました。氷は、製氷皿に花と水を入れて凍らせるだけ。この二つをテーブルに並べただけでも、めっちゃパーティーって感じになりますよ! ぜひエディブルフラワーで食卓を華やかにして、会話にも花を咲かせてください(笑)。

石村さんが作ったエディブルフラワー入りのゼリー(手前)と、花入りの氷を浮かべた水。農園のビニールハウス前がパーティー会場のように華やかに

撮影:南部スタジオ