富山県内でも、福井を感じられる飲食店があります。店主が出身者だったり、福井グルメを扱っていたり。北陸新幹線で向かう前に行ってみませんか?(情報は取材時の内容です)
手打ち蕎麦 あかり(入善町)
そばの風味引き立つ おろしぶっかけ

「おろし蕎麦」(1,200円) 大根おろしとネギ、カツオ節をのせたぶっかけそば。信州産の辛味大根は小ぶりでカブのように丸く、ほのかな甘みがそばつゆに合う
「在来種そば王国」とも言われる福井県。小粒で実が詰まった福井在来種は、山あいの気候を生かした丁寧な栽培によって受け継がれてきた。「福井のそばの何とも言えない香ばしさがたまらなくて」と話すのは、入善町でそば屋を営む上島考司さん。福井在来種のそばの実を石臼で製粉し、手打ちで仕上げた十割そばを振る舞う。現在は永平寺町産の完熟そばを提供しており、喉を通る時に広がるふくよかな香りが心地いい。

「二種盛り蕎麦」 (1,100円) 製粉時のひき具合が違う2種類のそばを日替わりで楽しめる。この日は「粗挽き蕎麦」と、そばの実を殻ごとひいた「玄挽き田舎蕎麦」
何も付けずにいただくのはもちろん、3種の薬味をのせた「おろし蕎麦」もおすすめ。辛さの中にうまみがある信州産の辛味大根は、そばの味を引き立てる名脇役だ。

店主の上島考司さん「いつか福井のそば畑を巡ってみたいです」

風待(かぜまち)茶房 ぼくのほそ道(高岡市)
喫茶店で味わう本格手打ちそば

「もりそば」(700円) 高岡市西藤平蔵の清らかな自噴水を使い、1枚から手打ちする。そばを堪能した後は、カツオや昆布のだしが効いたつゆにそば湯を入れていただこう
国道156号沿いにある喫茶店。ゆったりと流れるジャズやボサノバに耳を傾けていると、手作りの皿に盛られた手打ちそばが運ばれてくる。そば屋でもあり、ライブハウスでもあるこの店は、マスターの好きなものが詰まった癒やしの空間だ。

「蕎麦たい焼き」(700円、ドリンク付き) 丸岡産在来種のそば粉をぜいたくに使用。そばの香ばしさと粒あんの優しい甘みが調和する。そば粉のシフォンケーキや、そばがきのぜんざいもある
そばの原料は福井県坂井市の丸岡産在来種。おいしいそばの条件と言われる「ひきたて・打ちたて・ゆでたて」にこだわり、現地の製粉所から新鮮なそば粉を少量ずつ仕入れている。注文を受けてから手打ちする二八そばは喉越し滑らか。つるつると箸が進み、2枚、3枚とおかわりしたくなる。同じそば粉を使ったスイーツもぜひ味わってみて。

マスターの中村隆信さん「福井には昔よく行きましたね。そばはもちろん食べたし、越前和紙の店にも行ったなあ」

撮影:南部スタジオ