富山県内でも、福井を感じられる飲食店があります。店主が出身者だったり、福井グルメを扱っていたり。北陸新幹線で向かう前に行ってみませんか?(情報は取材時の内容です)

煮込みと惣菜の店 ぺんぎん食堂(富山市)

うまみたっぷり サバの昆布締め

「サバの昆布〆刺し」(858円) サバのうまみを昆布で凝縮。かむほどに味わいが深まる

 代表の坂倉有紀子さんは福井県内で小学1年生まで過ごし、父の転勤に伴い富山市に移り住んだ。北陸新幹線の敦賀延伸には「より行き来しやすくなるのでうれしい」と期待を寄せる。「富山の人には、現地で福井弁の魅力に触れてもらいたい。語尾が伸びて優しい雰囲気がありますよ」と笑顔で話す。

「アフタヌーンのんべぇセット」(6,600円、2ドリンク付き) アフタヌーンティーから着想を得て作った新メニュー。福井名物の「へしこ」や手作り豆腐などのおつまみが2人分盛り付けられている。1日2組限定、土・日曜、祝日の15:00〜18:00に注文可。要予約

 店のメニューの中には、福井のエッセンスが加わったものも用意している。郷土料理でなじみ深いサバを使った「サバの昆布〆刺し」は、うまみたっぷり。「アフタヌーンのんべぇセット」には伝統料理「へしこ」を盛り込んだ。どちらもついついお酒が進むおいしさで、会話も弾みそうだ。

代表の坂倉有紀子さん「福井県では池田町の『そば処一福』の塩だしそばがお気に入りです」
 

YUINOTE histoire(ユイノテ イストアール、南砺市)

深い味わいを楽しむ福井のこだわりコーヒー

手前左から時計回りに「結いのてブレンド」(550円)、「ベーカリーハルのパントースト」(500円)、「オーガニックベジスープ」(300円) パンとスープは一例。ブレンドコーヒーは苦味の強いものや酸味が特徴的なものなど複数の種類があり、好みや気分に合わせて選べる。テイクアウトも可能

 農薬・化学肥料不使用の自家栽培米や、地元野菜を使ったメニューが味わえるカフェ。コーヒーは福井県大野市の自家焙煎(ばいせん)コーヒー店「モモンガコーヒー」の豆を使用している。オーナーの秋田啓秀さんと妻、志穂さんが開業前に大野市を旅行して店を訪れたのがきっかけで、コーヒーの香りのよさに感動したそう。

「城端の玉手箱」(980円) 地元の無農薬野菜が色鮮やかなぜんざい。手作りの餅は、天日干しで仕上げた無農薬の自家栽培の餅米を使っている

 ユイノテではオリジナルブレンド4種類とシングルオリジンがあり、丁寧にハンドドリップで入れている。「ベーカリーハル」(石川県金沢市)のパンと一緒に楽しむのがおすすめ。小麦の豊かな風味を、コーヒーの深い味わいがさらに引き立てる。

オーナーの秋田啓秀さんと妻、志穂さん「モモンガコーヒーさんのある大野市は、大野城や風情ある街並みなど見所いっぱいですよ」
 

すたじあむ たけ(高岡市)

ピリ辛の「山うに」がアクセント

「塩らーめん」(740円) プラス130円で山うにをトッピングした。爽やかな香りが、昆布と煮干しから取った深みのあるだしと相性抜群

 透き通った塩ラーメンのスープに、鮮やかな朱色の薬味が映える。福井県鯖江市の東部、河和田地区に伝わる薬味「山うに」。ユズや鷹の爪、赤なんば(万願寺唐辛子)などを擦り混ぜて作られている。海のものは入っておらず、色がウニに似ているのが名前の由来とされる。

「山うに汁なし担々麺」(1,040円) 太麺に角切りチャーシューやモヤシなどがトッピングされボリューム満点。山うにのピリ辛風味が食欲をいっそう刺激する

 こちらの店では、ラーメンやライスのトッピングとして山うにを用意している。ピリッとした辛味とユズの爽やかな香りが特徴で、塩ラーメンのこくのある味わいを引き立てる。「山うに汁なし担々麺」は、濃厚なごまだれに山うにのフレッシュな風味がアクセントに。一度食べたら癖になりそうな味わいだ。

店主の竹田大也さん「海の美しさで有名な若狭湾に行ってみたいです」
 

撮影:南部スタジオ、さいとう写真事務所