第9回「息子を理解できない悲しさ」から続く

お母さんが「県発達障害者支援センター・あおぞら」(当時)に相談をするようになったのは、K君が保育園の年長の時、今から約10年前でした。

それまでも息子の理解できない行動を、保健所に相談したり、幼児教育を学んでいた学生時代の友人に話を聞いてもらったりしていたものの、なかなか手掛かりは見つかりませんでした。

「ずっとモヤモヤして、苦しい思いをしながら子育てするのはもう限界」。そんな思いで発達障害を専門とする施設を探し、見つけたのが「あおぞら」でした。

想像が苦手。だから臨機応変にできない

面談では、相談員がお母さんの話を聞き、おもちゃで遊びながらK君の様子も見ます。そしてK君の行動を読み解いてくれました。

(画像提供:PIXTA)

特にお母さんの気づきになったのは「K君は想像することが苦手。いろんなパターンを考えられないので、いつもとは違うことが起きるとすぐにかっとなる」「自分の感情をうまく伝えられず、不安な気持ちから反対の行動をとってしまう」「怒りのスイッチが早い。ほかの人が10我慢できることころでも、K君は3ぐらいでイライラしだす」ということでした。

そう考えると、納得できる行動は多々ありました。

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