目の前で何か新しいことが起きると、今やっていたこと、考えていたことを忘れてしまうことは大人でもあります。「忘れっぽい」という特性を持つK君は、よくそのような状況になります。テストを配られると、まず問題に目が行き、名前を書き忘れてしまうことは、これまでも何度もありました。
K君は、社会のテストでまた同じ失敗をし、先生に「名前書いてないから0点」と言われたことで、悔しさが爆発。それが怒りに変わり、テストをビリビリに破いてごみ箱に捨ててしまったのでした。
それぞれの気持ちを吐き出す
学校から向かったのは、たまたまその日、相談の予約を入れていた県総合教育センターでした。K君が学校に行き渋るようになったこともあり、夏ごろからお母さんとK君は児童精神の医師の受診を定期的に受けるようになり、医師の紹介で県総合教育センターにも行っていました。面談では、K君は相談員の教諭に、お母さんは臨床心理士に話を聞いてもらいます。

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この日、K君は0点と言われてどれほど悔しかったかを話し、教諭は
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