発達障害について、専門の医師が分かりやすく解説した動画を県教育委員会が作成し、3月から県の家庭教育講座のページなどで公開を始めました。
解説するのは、県発達障害者支援センター「ほっぷ」センター長で富山県リハビリテーション病院・こども支援センター小児科部長(児童精神)の森昭憲医師です。

気軽に見てもらえるように、動画は1テーマあたり5分程度にまとめ、7本で構成。「発達障害について、言葉は聞いて知っているけれど内容はよく知らない」「子育てを始めたばかりなので、知っておきたい」という人にも分かりやすい内容としました。
1章では、子どもの行動や言葉が理解できずに戸惑ったり悩んだりした時には、子どもが嫌がる時、喜ぶ時、怒る時はどんな時かをつぶさに観察して傾向を見つけるよう提案。行動の特徴が見えてきたら、発達障害の視点で見てみると、理解の手掛かりになることがあると説明しています。

2、3章では、周囲の大人が子どもの特徴を尊重し、本人にとってよりよい環境を整えることの大切さを伝えています。周囲の配慮があれば、健やかに成長し特徴も目立たなくなり、反対に無理をさせると本人の苦痛は増し、特徴もさらに強くなることから、周囲の大人がどのように接すればよいのかを話しています。
4~7章では、発達障害の特徴である発達性協調運動症や注意欠如多動症(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)、限局性学習症(SLD)について解説。どのような行動を苦手とするかを具体的に紹介しています。

森医師は「発達障害の子どもたちのさまざまな行動はわざとではなく、子ども自身も困っていて、苦痛やストレスを抱えています。動画を通じ、多くの大人にそのことを知ってもらいたい」と話しています。
動画【発達障がい(神経発達症)は何かを知ってください】
第1章 発達障がい(神経発達症)~行動の特徴や傾向を読み解く1つの方法~
第2章 神経発達症(発達障がい)って何?~本人や親、育て方が原因ではなく苦労して生活している~
第3章 神経発達症の特徴を知って 尊重して 本人に合った工夫を考えませんか?~本人の特徴に合わせた子育てをして、本人も周りもハッピーに~
第4章 発達性協調運動症 チック症 吃音症について~思ったように運動や発声ができずに困っている方々~
第5章 注意欠如多動症(ADHD)って何?~不注意、多く動いてしまう、考える前に行動してしまうことで困っている方々~
第6章 自閉スペクトラム症(ASD)って何?~人と接すること、こうしなくてはいけないと縛られてしまうことで困っている方々~
第7章 限局性学習症(SLD)って何?~字を読む、字を書く、算数や数学に大いに困っている方々~
※すべての質問にお答えするわけではありません。また回答まで時間がかかる場合があります。ご了承ください。