
この頃、サイコパスについて、考えることがあります。
サイコパスとは、
人からどう思われようと、全く気にしない。
嘘をついても、良心が痛まない。
自己的で、結果至上主義。
たとえ誰かが傷ついても、果断な決断ができる。
というような気質で、一定の割合でいるそうです。
サイコパスを意識するようになってからテレビを見ると、「この人はサイコパスのようだ」という印象を受ける人が、時々います。
私が見る限り、たいてい人気者で、友達も多く、頭もよく、バリバリに仕事ができて、はっきりものが言える、かっこいい人です(そういう人しかテレビには出ないのかもしれませんが)。
決め手になるのは、「でもなんとなく愛がない」という感覚です。
先述の気質は、一見人類にとって悪いもののように見えますが、それでも淘汰されなかったのは、やはりこの気質にも大切な意味があるのだといわれます。
サイコパスは、社会のよくない常識や認識についても、物怖じせずに、堂々と、「おかしい」と言い切ります。
そういう姿に、周りの人は、よく言ってくれた、かっこいい、と思います。
同じように思っていても、普通の人が声を上げられずに我慢している中、自分の代わりに言ってくれる代弁者が、社会には必要なのです。
「全体最適」という言葉があります。
少数が犠牲になったとしても、社会全体にとっていいことならば、しかたがない、という考え方です。
この考え方ができる人が、サイコパスだといわれます。
だとすると、HSPは、まさに、真逆の気質です。
HSPは、どうしても、犠牲になった個人に目が向くように、できています。
共に寄り添い、悲しみを感じ、相手の幸せを願います。
しかし、どちらがいいのか、ということになると、どちらの人も、必要なのだと思います。
会社のためには、誰かが犠牲になっても、果断な決断が迫られるときもあります。
一方で、傷ついた人を労わる存在も、また必要です。
こうして、世の中には、いろんな個性の人がいて、バランスを保ちながら成り立っているのだと思います。
人はみんな違っていい。
個性はいろいろあって、全て素晴らしい。
大切なことは、お互いが、自分と違う相手のことを、認め合うことなのではないでしょうか。
「何でこんなに冷たいの、無神経な人!」と言うのではなく、
「何でこんなに神経質なの、病気じゃない?」と言うのではなく、
「あなたはこんなふうに感じるんだね。面白いね」とお互いが、尊重し合える世の中になったら、素晴らしいと思います。
◆太田知子(おおた・ともこ)◆
1975年、東京都生まれ。主に子どものイラストを中心に描くイラストレーター。小学生と中学生の2児の母。
著書『子育てハッピーたいむ ななとひよこの楽しい毎日』1~3。『りんごちゃんと、おひさまの森のなかまたち』1~5。
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