同じHSPでも、こうまで違うのかと思うくらい、いろいろな性格のHSPがいます。
敏感さは変わらないのですが、様々な気質が絡み合っているので、ある面から見るとまったくHSPに見えない人もいます。
私は子どもの頃、学校が大好きだったHSC。土日でも友達に声をかけまくっては学校に集まっていました。
一方娘は、貴重な土日は一人で過ごしたいタイプ。休みの日に友達と遊ぶと、それだけで疲れてしまいます。
そもそも友達を誘うことすら、相当のエネルギーを使うようです。
その娘の気持ちが、どうしてもわからなくて。
(一日中家にいて、ゲームばかりして終わってしまうなんて不健康。私ならぐったりしてしまいそう。誰かとおしゃべりするとか、外の空気を吸ってこそ、日頃のストレスを吹き飛ばすことができるのに。)
と、ついつい遊びに連れ出したり、子どものママ友に連絡をしたり、口出ししてしまうのです。
それで子どもが元気になることもあるのですが、その背中の押し加減が、いつも難しい。
背中を押しすぎて落ち込んでしまうことも、しばしばです。
更に、小学6年生にもなって、子どもの友達づくりに手を貸すのはおかしいのではないかと自分を責め、ついには子どもがこんなに消極的だからいけないんだと、子どもまで悪者にしてしまう始末です。そうなってくると負のループが止まりません。
そんな時にいつも思い出すのが、HSPの提唱者のアーロン博士が、生涯子育てのモットーとした
「他とは違う子の親になるなら、他とは違う親になる覚悟が必要です」
という言葉です。
うちはうち。他の家庭と違っていいし、他の子と比べることは意味がありません。
子育てで一番大切なことはなんでしょうか。
「生まれてきてよかった」「生きていて幸せだ」という自己肯定感を、子どもに育むことです。
おそらく、友達と遊んで楽しく過ごしたとか、一日中ひとりでゲームをして過ごしたとかいうことは、それほど大きな問題ではないかもしれません。
それよりも、もっと気をつけなければならないことは、
「お母さんが自分を責めない」
そして
「子どもも責めない」
ということだと思うのです。
HSPの親は特に、自分に厳しい完璧主義なので、子どもを幸せにしたいという気持ちが強すぎるあまり、少しやりすぎてしまうこともあります。
でもそれもご愛嬌。
母親というものは、子どもの心配をせずにはいられないのだから、仕方ないですし、完璧な親はどこにもいません。
私はこれでいい。子どももこれでいい。どちらも一生懸命がんばっている。
自分に優しく、必要以上に未来を心配せずに、今、目の前にいる子どもに満足して、お互い心地よく過ごせるようにしたいと思います。
家の中に、誰にも気を遣わない自由な空間のあることが、私たちHSP親子にとっては、何より大切なことだから。
◆太田知子(おおた・ともこ)◆
1975年、東京都生まれ。
主に子どものイラストを中心に描くイラストレーター。
小学生と高校生の2児の母。
著書『子育てハッピーたいむ ななとひよこの楽しい毎日』1~3
『りんごちゃんと、おひさまの森のなかまたち』1~5
『HSC子育てあるある うちの子は ひといちばい敏感な子!』