
5人に1人は、ひといちばい敏感な子といわれます。
意外と多い数字だと思いませんか。1クラス40人とすると、そのうち8人くらいは、ひといちばい敏感な子、ということになります。
敏感な子どもを育てる時に、HSC(ひといちばい敏感な子)の特徴を知ることは、とても重要なことです。
敏感な子は、傷つきやすく、弱い、というネガティブな面から見られることが多いのですが、実際はプラスの面が非常に大きく、敏感であることをプラスに考えて生きていけるかどうかは、まわりの大人がどれだけ個性を理解し、受け入れているかによって、大きく違ってくるからです。
私には高校生と小学生の娘がいますが、2人とも、HSCです。
HSCの日常がどんな感じか、箇条書きで紹介したいと思います。これを見れば、きっと、よりHSCの特徴がわかりやすくなりますよ。
- 悲しいテレビを見るとしばらく引きずる。悲しいシーンになりそうになったら、大急ぎでチャンネルを変える。最後は平和に終わる話でも、途中でかわいそうな出来事があると、耳を塞いで、もう見ない。
- 苦手なジャンルが多い。(戦争、暴力、かわいそうな話、びっくりするシーンがある、事件、事故のニュースなど)
- 寒がりの割りに、上着を着ると重たいという理由で、いつも薄着で震えている。
- 春は花粉症、夏はあせも、秋も花粉症、冬は乾燥による肌荒れ、そしてハウスダストアレルギー、ダニアレルギーで、一年中、鼻と肌の調子が悪い。病院通いが途切れたことがない。
- ストレスによるじんましんも出やすいが、本人は何がストレスか、全くわからない。
- 頭痛や腹痛が多い。
- 暑い、寒い、あの人がああ言った、こんなことをした、これが嫌だ、など、人より不満が多い。
- 学校から帰ってくるとまず、「今日の傷ついた話」をする。
- ぬいぐるみを、家族のように大事に扱う。外出にも連れて行く。そしてよく話しかけている。
- ジェットコースターとおばけ屋敷には絶対に入れない。一緒に行く人が同じタイプの人だと、とてもホッとする。
- 着ぐるみを怖がる。乗れない乗り物が多いので、遊園地に行ってもあまり楽しめない。
- ディズニーランドの悪役が出てくる場面が怖い。白雪姫など、暗闇をオープンカーで進む乗り物に乗れない。
- 「千と千尋の神隠し」の、お父さんとお母さんがブタになるシーンで号泣。トラウマになる。
- トイレやお風呂に一人で入れない。想像力をフルに発揮し、一人怖がる。
- 家族旅行は、初めてのところよりも、何度も行ったお気に入りの場所を好む。食事をするのはいつも同じ店になる。
- 嫌いな食べ物が多すぎて、給食の時間が好きではない。食が細い。(たくさん食べる子もいる)
- 相手が嫌な思いをしないように、言い方や、行動などにとても気をつかう。深い思いやりがある。反対に、気が利かない人、いじわるな人、思いやりがない人に対しては、ひどく怒る。
- 気をつかいすぎて疲れるので、一人の時間が必要。
- 少し注意しただけで、全人格を否定をされたくらい傷つき、キレる。(キレない子もいる)
- 2つ以上のことを同時に指示したり、何かしているところに指示すると、パニックになり、キレる。(キレない子もいる)
- 「早く早く!」は禁句。これを言われると、頭が真っ白になり、フリーズする。
- 複数人で遊ぶよりも1対1の付き合いが得意。
- 心と心のふれあいを、何より大切にする。
- 失敗を恐れるあまり、挑戦したがらない。
- 新しいクラスに慣れるのに時間がかかる。慣れ始めた頃にクラス替えになる。
- 慎重すぎて、何事をするにも時間がかかる。しかし失敗は少ない。
- 物を大事に使う。物持ちがよく、あまり汚したり壊したりしない。
- 注射など、痛いことにはひといちばい怖がり、人が痛い思いをしているだけでも、自分が体験しているように痛みを感じる。
- 楽しみなことがあると、考えすぎて調子を崩し、終わってしまうと、喪失感で、具合が悪くなる。
- 人の笑顔を見ると、喜びでいっぱいになり、それだけで幸せになる。
- とても小さな幸せを、大きく膨らませることができる。
「HSCあるある」を聞けば聞くほど、HSCを持つ親御さんは共通して、霧が晴れたような感覚があり、「今までのアレは、だからだったのかー」と、楽になれるのです。
◆太田知子(おおた・ともこ)◆
1975年、東京都生まれ。主に子どものイラストを中心に描くイラストレーター。小学生と高校生の2児の母。
著書『子育てハッピーたいむ ななとひよこの楽しい毎日』1~3。『りんごちゃんと、おひさまの森のなかまたち』1~5。『HSC子育てあるある うちの子は ひといちばい敏感な子!』。