大阪・関西万博の開幕から10日余りがたった。報道を目にすることが増えているものの、周囲には「万博に行った」という人は少ない。記者は開幕前の昨年12月に会場内を取材したが、当時は建設作業が急ピッチで進んでいた時期。多くの人でにぎわう様子を体験したいと、「百聞は一見にしかず」との思いで開幕後初の土曜日の4月19日、妻と5歳になったばかりの息子と3人で会場に足を運んだ。子連れでも楽しめるのだろうか…。初めての万博旅行は、想定外の事態に次々と見舞われた。

準備万全のつもりが…
「万博に行こう」。思い立ったのは開幕5日前の4月8日のこと。万博関係者に取材することが何度もあり、開幕直前の予行演習の様子などを聞いていると「一生に一度の機会かもしれない」との思いがよぎった。急ピッチで準備を進めた。
会期は10月13日までの半年間。妻のお腹にいる第2子の出産予定日は6月で、会期中に赤ちゃんを連れて行くことは厳しいし、大型連休も避けたい。いろいろ考えていると、開幕後初の土曜である4月19日が浮上した。

公式サイトでのチケット購入・予約は複雑で難しいと聞いていたが、解説情報があふれており意外に簡単だった。家族分の「万博ID」も登録し、開幕前の申し込みで割安となる入場券を購入して入場日時を決める流れだ。ちなみに日時の変更は3回までできる。
次の難関は、パビリオンの予約だ。行くことを直前に決めたため「2カ月前抽選」は参加できず、残るチャンスは「7日前抽選」と「空き枠先着(3日前の午前0時から前日午前9時まで)」。「7日前抽選」では、第5希望まで予約制の企業パビリオンや海外パビリオンの空いている時間の枠を指定できる(当選するとは限らない)のだが、選択後に「申し込む」をクリックするのを忘れてしまった…。

あとは「空き枠先着」のみ。1枠しか登録できない上、文字通りの早い者勝ちだ。日付が変わる午前0時はアクセスが集中してサイトにつながらない。1時間半粘ってアクセスできたが、空き枠はほとんど残っていなかった。入場日前に予約できたのは、午後6時台のオーストラリア館だけだった。
不安と共に当日を迎える
19日は「正午に東ゲートから」で入場予約した。