「風呂上がりにはキンキンに冷えたビール!」という人は多い。これが「風呂上がり」ではなく「銭湯上がり」だったらどうか。「冷たい牛乳、瓶詰めに限る!」に変わる人は少なくないのではないか。10月10日は「銭湯の日」。「1010(せんとお)」という語呂合わせに加え、1964(昭和39)年の東京五輪開幕日にちなみ「スポーツの後には入浴を」という意味合いもある。「銭湯から上がった後は腰に手を当てて冷たい牛乳」はもはや日本の定番と言っていい。ところで、なぜ銭湯には牛乳なのか。調べると、高度経済成長期から現在に至る日本の姿が見えてきた。
※明治が26日、100年近く親しまれた瓶入り牛乳の販売を終了すると明らかにしました。昨年10月10日の「銭湯の日」に合わせて公開した記事を再掲します。
富山市長柄町の銭湯「島倉の湯」は明治時代中期から続く老舗中の老舗。脱衣場を見渡すと、冷蔵庫の中にやはりあった。ジュースに加えて所狭しと並ぶのは瓶入りの牛乳。5段に仕切られた冷蔵庫の中でも、最も目に付きやすい2段目に牛乳とコーヒー牛乳が並んでいる。
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