
いよいよ、子どもたちにとっては、待ちに待った(親にとっては大忙しの)夏休みの到来です!
さて、夏休みといえば、子どもの宿題に対して、親はどういうスタンスをとればいいか、ここ数年、あれこれ悩んできました。
子どもの問題は子どものもの、親がしゃしゃり出て、子どもの問題を取ってしまわない、という「問題所有の原則」があります。
宿題でいえば、たとえ宿題が終わらなくて困ることがあっても、その経験が、子どもの大切な学びとなる、ということです。
もちろんそれはそのとおりなのですが、そのやり方が合っている子と、合わない子がいる、と思うようになりました。
その子の性格もありますし、能力の問題もあります。
できない子は、本当にできないし、新学期に宿題を持っていけなくて、恥ずかしい思いをしたために、そのまま不登校になってしまう子だって、いるかもしれません。
何事も、これが絶対、ということがないのが、育児です。
ならば、私の感覚で、よいと思うことを信じることにしました。
私の考えは、もう二度と体験できない小学5年生の夏休みを、楽しめるように手助けする、ということです。
そのためには、宿題が最後までたくさん残ったままだと、やっぱり楽しめないので、早めに終わらせるよう、目標を立てます。
自由研究を親が手伝うことについては賛否両論あると思いますが、それも、子どもによりけりです。
子どもに力が足りなければ、手伝ってしまいますし、一緒にやったほうが、楽しいに決まっています。
また、一緒にやることで、自分の世界にとどまらず、さらに広い世界を知るチャンスにもなると思います。
そうはいっても、親の側が、仕事や家事で精一杯で、そんな余裕がとてもない!ということもあると思います。
それはそれで、何の問題もないと思います。私だって、こんなことを書きながら、今年は手伝わないかもしれません。
ただ、ガミガミ言って、楽しい夏休みに水を差さないようにしなければ、と思います。
宿題を手伝うか、手伝わないか。結局、親子が楽しく過ごせれば、どちらでもいいような気がします。
宿題が終われば、ようやく子どもにとっても親にとっても幸せな時間が訪れます。
待ちに待った、だらだらタイム。
だらだらすることは、何の生産性もない感じがしますが、そんなことはありません。
私は今でも、ヒグラシの鳴き声を聞くと、おばあちゃんの家で、ただ、だらだらと過ごした小学生時代に心がタイムスリップします。そして、この上ない幸福で満たされるのです。
あの夏休みは、私の人生において、本当に素晴らしい時間でした。
どうか皆様にとって、素敵な夏休みになりますように。
◆太田知子(おおた・ともこ)◆
1975年、東京都生まれ。主に子どものイラストを中心に描くイラストレーター。小学生と中学生の2児の母。
著書『子育てハッピーたいむ ななとひよこの楽しい毎日』1~3。『りんごちゃんと、おひさまの森のなかまたち』1~5。