
わが家の子どもは、2人ともHSC(ひといちばい敏感な子)です。
敏感な子は、一般的なやり方では、刺激が強いことが多いです。
顔つきや声のトーン、体から出るオーラで、すでに親がどういう気持ちなのか察しているところに、「こうしなよ」と言われると、子どもはそれだけで攻撃されたように感じてしまいます。
こちらとしては、「何でそんなことで?」とびっくりするようなささいなことで、パニックになったり、かんしゃくを起こしたりします。
叱るとよけいに悪くなり、ほめるとどんどんのびるタイプです。
これは、うちの場合なので、まったく違うタイプのHSCもいますが、HSCの親はそれぞれに、「なるほど、この子にはこういう言い方をしてはいけないんだな」「こういう言い方をするといいんだな」ということが、だんだんとわかってきて、保育園になかなかなじめないとか、友達と遊びたがらない、心配しすぎる、というようなことに対して、ごく自然に、子どもの気持ちに応じた対応をしています。
しかしそういう対応が、周りからは、「甘やかしている」「親が優しすぎるからわがままになる」と言われてしまうことがあるのです。
そんなことを言われたら、どうしても動揺しないではいられません。
そして、うまくいかないことが続くと、「誰に言ってもどうせわかってもらえない」と孤独を感じたり、うまくいっている家庭をねたましく思ったりしてしまいます。
敏感な気持ちに寄り添うことは、決して、甘やかしているのではありません。
必要なことです。
HSC提唱者のアーロンさんは、「他とは違う子の親になるなら、他とは違う親になる覚悟が必要」をHSCの子育てのモットーとしたといいます。
子どもに「もっとこうなってほしい」と思うときは、その性質のよい面を見るようにしています。そうすれば、今すでに持っている、子どもの素晴らしさが見えてきます。
長女ななは、ひといちばい傷つきやすい子どもですが、逆にいえば、とても人の気持ちがわかる、気がつく子です。一目見ただけで、その人が、どんな人であるかわかってしまうようです。人を笑わせることが大好きで、悲しい気持ちの人に声をかけるのが得意です。また、いつも想像の世界で遊んでいて、それがどんなに楽しいことか、私は知っています。
子どもはみんな宝箱。でも親が期待したとおりの宝を持っているとは限りません。意外と思いもよらない宝を持っているかもしれません。
この子は何の宝を持っているのかな?と、子どもだけが持つ「自分らしさ」を見つけることが、親のいちばん楽しい仕事ではないかと思います。
◆太田知子(おおた・ともこ)◆
1975年、東京都生まれ。主に子どものイラストを中心に描くイラストレーター。小学生と中学生の2児の母。
著書『子育てハッピーたいむ ななとひよこの楽しい毎日』1~3。『りんごちゃんと、おひさまの森のなかまたち』1~5。