青木千鶴さん(富山市)、俊平さん(小学2年)
KANAYA(高岡市)
インテリアブランド「KANAYA」は 2011年に誕生したブランドで、伝統的な高岡銅器の技術を生かし、現代のライフスタイルに合った製品を生み出しています。
400年の歴史を誇る高岡銅器のふるさと、高岡市金屋町。さまのこと呼ばれる千本格子の町並みにたたずむ「KANAYA」のショールームを、青木さん親子が訪れました。
のれんをくぐると、いすやランプスタンド、サイドテーブルなどの洗練された家具がずらりと並びます。KANAYAは、 2011年に誕生したブランドで、伝統的な高岡銅器の技術を生かし、現代のライフスタイルに合った製品を生み出しています。展示品の中には、有名ドラマで小道具として使用されたものもあり、社長の宮津みき枝さんに案内されながら、千鶴さんは「素敵ですね」と目を輝かせました。
金属をたたいて形作る
今回体験するのは、金属をたたいて形作る「鍛金」という伝統技法です。直径9センチ、厚さ0.9ミリの錫の丸い板をぐい飲みに仕上げます。専用の木型に板を入れ、木づちで打ち込むと、「カーン、カーン」と澄んだ音が響きます。
宮津さんは「この音が昔は町のあちこちから聞こえてきたんですよ」と語り、高岡銅器の歴史を教えてくれました。加賀藩2代藩主・前田利長がまちづくりの一環として鋳物職人をこの地に呼び寄せたことがきっかけで、高岡は銅器の一大産地として発展しました。現在は時代のニーズに応じて、アルミや錫など多様な金属を用いたものづくりが行われており、伝統技術が受け継がれています。
作業はいよいよ仕上げ段階。形を整えたあとは、飲み口をステンレス製のスプーンで滑らかにします。最後に、俊平さんの名前の頭文字「S」を刻印し、世界に一つだけの器が完成しました。「自分だけのぐい飲みができた」と、うれしそうに語っていました。
ショールームが入っている建物は、旧三協アルミ創業者・竹平政太郎さんが前身の「竹平着色所」を開いた場所でもあります。2階は記念室として、胸像や写真などが展示されており、近代産業への変遷に触れることができます。
・もぐらたたきみたいで楽しかった。
・同じ富山県になのに、知らないことがたくさんありました。本当にすてきな町並みで歴史を肌で感じることができました。
全国9割のシェア…高岡は銅製工芸品の国内シェア9割を占めます。県内には現在、国が指定している伝統的工芸品として高岡銅器のほかに、井波彫刻と高岡漆器、庄川挽物木地、越中和紙、越中福岡の菅笠の6品目があります。
KANAYAショールーム
住所:高岡市金屋町2-5
営業時間:
10:00~16:00
休み:木曜、土日祝日
※予約がある場合や地元のイベント時は営業
1人3,300円で随時受け付ける(予約優先)。対象は6歳から