子どもが幼いうちは育児に力を入れ、徐々に手が離れてきたら仕事も頑張りたいー。こう思うワーママも多いのではないでしょうか。パートとして働き始め、短時間正社員を経て現在はフルタイムと、子どもの成長に合わせて働き方を変えながら、3人の姉妹を育てるとやま駅前みわ矯正歯科医院の老月麻衣子さん(46)に話を聞きました。

働き始めて16年目になります。子どもは高校3年生、中学3年生、小学4年生の3人で、全員が女の子です。とてもにぎやかで毎日が楽しいし、もちろん毎日いらついています(笑)。

仕事は、治療器具の準備や患者さんの治療に必要な資料の管理などです。今はフルタイムの正社員として午前9時から午後6時まで働いていますが、子どもが幼いうちは午前中のみ働くパート勤務でした。子育ての状況に応じて徐々に時間を増やし、一番下の娘が小学校に上がったタイミングで短時間正社員※1になりました。

※1…短時間正社員=正社員と同じ賃金体系、処遇でありながら、所定の労働時間が短い正規型の社員。

短時間正社員の道、「視界が開けた」

子どもが大きくなってくると、何をするにもお金がかかります。午後4時までのパート勤務をしていた時、院長に「この働き方って、短時間正社員に該当するんじゃない?」と言われました。今までの働き方とほぼ同じなのに、基本給があってボーナスも支給される。

短時間正社員はうちではフレックス制※2なので、子どもを朝病院に連れて行きたい時は1時間遅れて出社し、その分どこかで1時間多く働くなど、出退勤の時間を自分で調節できるんです。目の前の視界が急にぱーっと開けた感覚でした。

※2…フレックス制=定められた総労働時間の中で、各日の始業と終業の時刻を自分で決められる制度。

子育てを後押しする制度や雰囲気に救われ

しかし悩みは尽きないもので・・・。3姉妹は年が離れていて、学校行事が全て違う日にあります。2番目の娘は水泳を頑張っていて、全国大会や遠征に行く時は付き添う必要があるので、それぞれの子の行事に参加すると、あっという間に年次有給休暇を消費してしまいます。それを院長との面談でちらっと相談すると、しばらくして「アディショナル有給休暇」(年次有給休暇がゼロになった場合に最大6日間取得できる休暇制度)が導入されました。

女性にとって、その時のライフスタイルに合った働き方や制度を選べるというのは本当にありがたいことです。子どもが熱を出した時も同僚や先生は全く嫌な顔をせず、送り出してくれる。その雰囲気にも助けられています。

子どもの成長が働く原動力に

毎日、朝8時過ぎに射水市の自宅を出て、帰りは午後7時前後になります。子どもたちの習い事の迎えがあったり、主人が夜勤の時はお弁当を作ったりとなかなか忙しい日々ですが、最近は長女がご飯を炊いたり、食器を洗ってくれたりするのですごく助かっています。子どもたちが頑張っている姿を見ると力が湧いてくるし「自分も頑張ろう」と思えますね。

「子どもに振り回されているうちが花」だと、先輩方からよく聞きます。間違いなく大変だけど、幸せな今をかみしめながら、これからも周りのみんなに助けてもらいながら、仕事と子育ての両方を目指していけたらなと思っています。次の大いなる野望は、自分のための休みを取ることです。いつになるやら、ですが(笑)。

短時間正社員 1週間の所定労働時間が40時間程度(1日8時間・週5日勤務等)のフルタイム正社員と比較して、所定労働時間が短い正規型の社員。労働契約は無期、基本給や賞与・退職金などの処遇はフルタイム正社員と変わらない。育児や介護と仕事の両立を目指す人やキャリアアップを目指すパートタイム労働者、定年後も働き続けたい高齢者など、多様な人材に活躍してもらうための仕組み。