間もなく夏本番。暑さをしのぐには、氷が欠かせません。食べるならかき氷。特徴的な氷を用いるドリンクもありますね。そんな冷たい一杯を集めました。眺めるだけで涼しい気分になれる氷彫刻の制作現場ものぞき、氷、氷、氷のオンパレードです! …あれ、今月号のページ、冷たいかも?!(情報は取材時の内容です)

大菅氷店(おおすがこおりてん)(高岡市)
かき氷:7〜9月限定

トロピカルで晴れやか 混じり気のない味わい

「パイナップル」(1,350円) 氷は石川県金沢市から取り寄せる純氷を使用。プラス250円でジェラートを添える。全てのかき氷に温かい加賀棒茶が付く

透明度の高い氷に、果実と砂糖だけで作る自家製シロップ。この店では、混じり気のない、ぜいたくなかき氷が楽しめる。

「パイナップル」は、空気を含むように削る口どけのよい氷に、ぽってりとしたジャムに近いシロップと生クリーム、フェンネル、ココナツをトッピング。トロピカルな香りとすっきりした甘さで、ひとさじごとに晴れやかな気分になる。国産の桃やサツマイモなど折々の味覚のほか、コーヒー、紅茶のフレーバーもある。

「キウイ」(1,450円) 爽やかなキウイとコクのあるヨーグルトクリーム、バジルの組み合わせはカプレーゼをイメージ

店舗は高岡大仏のそばにある。「古い町並みの中で、気軽に立ち寄れる場所になれば」と店主の大菅洋介さんは話す。

店主の大菅洋介さん(右)と スタッフの原口侑美さん

まるきんたいやき屋(魚津市)
かき氷:4〜10月限定

地域に愛される老舗 200種を超えるかき氷

「まるきんスペシャル」(680円) フルーツ、白玉、金時、フロート、コーヒーゼリー、ミルクのトッピングでこの価格は驚き。実際は氷の中に隠れる

地域に愛される創業65周年の老舗甘味処。かき氷の種類の多さが並外れていて、トッピングの組み合わせ次第では200種ほどになる。

ふわふわの氷の中からフルーツやコーヒーゼリーが現れる「まるきんスペシャル」は、トッピングが盛りだくさんで、まるで宝探しのよう。白玉や金時、蜜は自家製で、昔ながらの味に癒やされる。

「黒蜜きなこ白玉金時」(520円) 近頃人気のメニュー。黒蜜のコクのある甘さときな粉の香りにほっとする

店主の川原田幸子さんが店に立つようになってちょうど50年。2023年はけがで長期休業したが、「無理のない範囲で続けて」というファンの声に励まされ再開した。温かい接客と冷たいかき氷に魅了された人々が今日も訪れる。

店主の川原田幸子さん(左)と スタッフの高島菊枝さん

撮影:竹田泰子、南部スタジオ