お笑い芸人・あばれる君のパワフルな生き方に迫ったインタビュー。後編では子育てエピソードや、富山との思い出を聞きました。

ドジャーススタジアムで会った〝あの人〟

―お子さんの少年野球をきっかけに審判の勉強をされたそうですね。

野球は1人ではできませんので、周りの先輩パパママの振る舞いや役割分担を学んで積極的に関わらないといけないと思いました。講習を受けて、少年野球の審判デビューを昨年果たしました。コーチもしています。ただ誤審だけは避けるように気を付けています!

「あばれるが誤審した」っていうのも厳しいですから。朝6時から7時半までは一緒に練習しています。朝に体を動かすのはいいですよ。スッキリした顔で学校に行くし、朝ご飯もたくさん食べるようになりました。なるべく早く寝かすようにして子どもの生活サイクルに合わせています。晩酌したいのに自分の時間がなくなっちゃいました(笑)。

子どもたちは活発で、僕に似て落ち着きないといえばそうかもしれないですけど元気いっぱいです。スポーツも好きです。一番上の息子とは2024年のお正月休みに2人でアメリカに旅行しました。

ドジャーススタジアムでは大谷翔平選手と偶然すれ違いました。うれしかったですね。それに水原一平さんと会えたのもレアでした。何より、子どもを海外に連れて行けたのは自分の成長を感じました。1人で海外に行くのは不安ですもん。だから積極的に英語で話しました。「パードゥン」「パードゥン」って。「パードゥン」の発音が良くなりました。

息子は親が話すから逆に口数減っちゃって。日本では人見知りはしないので、その明るさでどんどん立ち向かってほしかったですけどね。でも米国で日本にはいないような人たちと出会いました。さまざまな文化があると気付けたのはよかったですね。

ロッチ中岡さんは柴田理恵さんに似てる

―滑川市出身のお笑い芸人、バッドナイス常田さんから〝師匠〟として親しまれています。富山の思い出があれば教えてください。

富山は魚やお米がおいしくて、稲穂が揺れているイメージです。輝いて見えます。そして心の友、常田君の出身地です。二十歳の頃からずっと苦楽を共にして、きょうも電話していました。
富山の一番の思い出は、きときと空港を訪れたとき、ロッチの中岡創一さんが柴田理恵さんと似ているって2人で話していたら、ちょうど柴田さんのマネージャーが後ろを歩いたこと。すごい奇跡でした(笑)。

―常田さんとは、昨年10月に能登半島地震の被災地でラーメンを提供しました。2011年の東日本大震災では、ご自身の古里である福島県も津波に襲われ大変な被害が出ました。

石川県七尾市の仮設住宅で福島県の白河ラーメンを力強く振る舞いました。僕なんかが何の役に立っているか分からないですけど、皆さん喜んでくれてよかったです。

そういえばこの間、氷見産のワインをいただきました。本当においしかったです。富山は誇る物がたくさんあるじゃないですか。魚にお米に日本酒…。僕にとってはそれがラーメンだったり、米や野菜だったりしました。自分たちが誇れる物があれば支えになります。僕が思う以上に皆さんはしっかり前を向いていると思うけど、ぜひ古里の誇りを支えにしてください。

あばれる君 1986年生まれ、福島県出身。高校時代には山岳部でインターハイに出場した。2009年にデビューし、テレビ番組「めちゃ×2イケてるッ!」やピン芸コンクール「R-1ぐらんぷり」で人気を集める。22年には合格率30%の世界遺産検定1級を取得した。24年に第3子が誕生し、妻と3人の息子と5人暮らし。