災害の発生後、建物の倒壊や津波、土砂災害などの危険がなく、家族の安全を確保できるのであれば「在宅避難」という方法があります。ただし、事前の備えは不可欠です。ケーブルテレビ富山で防災番組を担当し、5歳児のママでもある防災士の鈴木佑実さんに、避難生活に必要な備えを聞きました。

災害時、在宅避難をする可能性があるならば、事前に1週間分の備蓄をしておくことをお薦めします。備えは0~3次まであり、フェーズごとに用意する物は異なります。

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普段のお出かけ時から備えておくと良い基本セット

□ 飲料水
□ 携帯食(あめ、チョコなど)
□ 懐中電灯
□ ホイッスル
□ 携帯トイレ
□ 生理用品
□ 救急セット
□ マスク
□ ティッシュ
□ ウエットティッシュ
□ メモ帳・ペン
□ ポリ袋
□ ポータブル充電器
□ 現金
□ 常備薬
□ 自分に必要な物

 

生理用品や常備薬、ポータブル充電器といった日常使いのグッズのほか、万一の災害時、部屋の中に閉じ込められた時に助けを呼ぶためのホイッスルや、手軽にカロリー補給できるチョコやシリアルバーなどの携帯食を持っていると心強いです。私はこれらを小さなポーチに入れ、出かける際に持ち歩いています。


 

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災害時に持ち出す防災リュックに入れておきたい物

□ 飲料水
□ 非常食(調理せずに済むもの)
□ 懐中電灯
□ ホイッスル
□ ヘルメット・防災頭巾など
□ 作業用手袋
□ 運動靴
□ ロープ
□ 携帯ラジオ
□ メモ帳・ペン
□ 油性ペン
□ 携帯トイレ
□ 生理用品
□ 常備薬
□ 救急セット
□ 毛抜き
□ マスク
□ ティッシュ
□ ウエットティッシュ
□ アルミブランケット
□ カイロ・冷却剤
□ 簡易トイレ
□ ポリ袋
□ レジャーシート
□ ライター
□ 布ガムテープ
□ 雨具
□ ポータブル充電器
□ 現金
□ 自分に必要なもの

 

手袋や携帯ラジオなどの基本的なセットのほか、メモ代わりに使えるガムテープや、ガラスやとげが刺さった時に役立つ毛抜きなどもあると便利ですよ。

 

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「避難生活」を見据え、3日~1週間分ストックする物

□ 飲料水(1人1日3㍑)
□ 食料
□ ガスボンベ
□ 電池
□ 現金
□ 常備薬
□ マスク
□ 簡易トイレ
□ トイレットペーパー
□ ティッシュ
□ ウエットティッシュ
□ タオル
□ 使い捨ての食器
□ ラップ
□ アルミホイル
□ ポリ袋
□ 歯磨きシート
□ ドライシャンプー
□ 介護用品
□ 赤ちゃん用品
□ 自分に必要なもの

 

食料はそのままの状態や、お湯や牛乳を注ぐだけで食べられる物などを中心に備えておきましょう。私にも5歳の子どもがいますが、普段食べ慣れていない物は絶対に食べません。小さいお子さんがいらっしゃるご家庭は、お子さんが食べ慣れていて、日持ちする物を普段から少し多めに買っておくといいです。日常の中にローリングストック(回転備蓄)の考えを取り入れ、非常食などの食べ慣れていない物を普段から食べておくのもお薦めです。

 

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長い避難生活を快適に過ごすためにあると便利な物

□ 長期保存できる食品
□ 水
□ トイレットペーパー
□ ティッシュ
□ 簡易トイレ
□ 食器
□ 鍋・やかん
□ ガスボンベ
□ カセットコンロ
□ ランタン
□ テーブル・いす
□ レジャーシート
□ 寝袋
□ 燃料
□ 着火剤
□ ライター
□ マット
□ 段ボール
□ ポリタンク
□ テント
□ 自分に必要なもの

 

0~3次のフェーズごとに、備蓄品を把握しましょう。そろえた物からリストにチェックを入れ、足りない物があれば補充しておくといいですね。

 

 

鈴木佑実(すずき・ゆみ)1989年、静岡県生まれ。富山県防災士会所属。NHKキャスターを経て2022年からケーブルテレビ富山勤務。命を守る防災情報をシリーズで伝える「防災スイッチON!とやま」の番組ナビゲーターとして、富山の防災情報を取材・発信している。

防災スイッチON!とやま
コミチャン9ch 毎日7:30/17:30ほか
■HP:https://ctt.ne.jp/comichan/bousai/
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