
テレビをきっかけにパリを夢見る
―雅さんがモデルを志したきっかけは。
小学2年生のときに見たテレビ番組がきっかけです。モデルの卵がパリ・コレ(パリ・ファッション・ウイーク)を目指す企画に冨永愛さんが出ていたんです。

冨永さんのいでたちに引かれたようで「(モデルを)やりたい!」となりました。雅は山と海に囲まれた自然豊かな地域で育ち、体を動かすのが大好き。夏は真っ黒に日焼けするまで何回も海に泳ぎに行くような子なので、モデルに興味を持ったのには驚きました。

ただ2歳くらいの頃、私がダイエットの励みに、ファッションショーの映像を流しながら筋トレしていたことがありました。それの影響かウオーキングのまね事をしたり、写真のときにポーズを決めたりはしていました。何となくモデルへの憧れはあったのかもしれません。

インスタの〝おすすめ〟からパリのショーへ
―パリでのファッションショーに立つまでの経緯を教えてください。
私もパパも雅のやりたいことは全力で推すスタイル。まず小学3年生から地元の芸能事務所に所属しました。ファッションショーやCMのお仕事を受けながら、ウオーキングやダンス、歌などのレッスンを受けました。時間は1時間で週に1回、教わる内容は週替わりでした。
それまでの習い事はダンスやバレエ。でも私が勧めたからで、自分発信の強い思いを持って続けたのは初めてでしたね。自主練習もずっと取り組んでいました。ファッションショーの映像を見たり、ウオーキングの動画をスマホで撮影して改善点をチェックしたりしました。

パリで開かれるアパレルブランドのショーのオーディションを知ったのは、インスタがきっかけです。私が関連の投稿を普段から見ていたからだと思いますが、おすすめに流れて来たんです。小学4年生の12月で事務所を退社し、これからどうしようと思っていた時期でした。雅に聞いてみたら「絶対受けたい」と即答でした。

5月に東京で開かれるオーディションは2週間後に迫っていました。まずブランドの過去のファッションショーの映像を見て研究しました。似たような服を自宅で探し、毎晩自宅で寝る前にウオーキングの練習を重ねました。どのようにすれば魅力的に見えるかを考え、ブランドの世界観に合うように優しい雰囲気の表情や歩き方を心掛けました。

オーディションはウオーキング審査があり、その場で合格が発表されました。堂々とした姿や人を引きつける雰囲気が評価されたようです。本人は驚きつつも、すごく喜んでいました。9月末の本番まで4カ月あまり。モデルの池端忍さん(富山市出身)のウオーキングレッスンを受け、衣装を引き立たせるポーズの決め方や歩き方を教わりました。東京にもレッスンに行きましたよ。
―悠さんはエステ店の経営者です。やはり生活面のサポートは徹底していたのですが。
よく聞かれるんですが、全く何もしていません(笑)。雅はすごくよく食べます。成長期なので、体形の管理はしないようにしています。ただ大切なイベントの前日は、むくみにくい食材でご飯を用意します。あとはパパが趣味で作っている無農薬の野菜を使うくらいでしょうか。

感動よりもハラハラドキドキ
―パリのショーでランウェイを歩く雅さんを見てどう思いましたか。

感激して泣いてしまうかなと思ったのですが、ハラハラの方が強かったです。聞いていたスケジュールと全く違い、リハーサルもできませんでした。本人は練習通りにできなかったのが悔しくて、終わった後に号泣していました。帰国してすぐに「モデルをしたい。パリに行きたい」と言っていました。海外で活躍するモデルになるのが夢だそうです。いま事務所には所属していませんが、県内のイベントに出演したりしています。できる限り応援していきたいです。
