北日本新聞社が北アルプス・立山の室堂に9年ぶりに開設した「立山通信部」の一員として、8月7~12日に雲上の世界に滞在した。10日には、ご来光に合わせた雄山登頂に加え、大汝山、真砂岳を経て別山までの縦走に初挑戦。見たことのない景色と登山者との交流を通じ、登山の魅力にどっぷりはまってしまった。(上田友香)
雄山に登頂したのは10日午前4時ごろ。京都、東京で約10年間暮らしていた間も立山の眺めが忘れられなかったという新井翔大記者と共に、立山通信部の拠点である立山室堂山荘を午前2時に出発した。ヘッドライトに寄ってくる敵(虫)と戦いつつ、満点の星空と高山植物に励まされてなんとかご来光に間に合った。

雄山山頂からのご来光

雄山神社峰本社には、おはらいを受ける大勢の登山者の姿があった
登山者でにぎわう山頂を撮影し、午前11時ごろから縦走へとスタートした。大汝山までは片道20分と聞いており、それなら頑張れそう。ちなみに、新井記者は別の取材に向けて先に室堂に向かっており、ここからは一人ぼっちだ。ワクワクとドキドキと、旅に出る前のような気持ちで歩き始める。
11時20分ごろ、大汝山頂(標高3015メートル)に到着。立山連峰で最も標高が高い場所だ。登頂者は大きな岩の前で「立山大汝山3015」と書いた木製の板を持って記念撮影している。高いところは苦手なので、岩にお尻をつけておくだけで精いっぱいだった。

大汝山の頂上。この岩の上に登る勇気は出なかった
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