能登半島地震の発生時を振り返り、「本当はどうしたらよかった?」と考えるコノコトレポーターの声に応えるシリーズ企画「パパママのための地震対策」。初回の津波編第2回の避難編に続き、最終回は備蓄について考えます。アドバイスをいただくのは、ケーブルテレビ富山で防災番組を担当し、4歳児のママでもある防災士の鈴木佑実さんです。

レポーターの声

富山市の自宅で家族と過ごしていました。最初の揺れでテーブルの下に入ろうとしましたが、揺れが大きいと判断して屋外に出ました。防災グッズは用意してあったのですが、すぐに持ち出せないところに。その後、防災リュックと靴は寝室に置くようにしました。

今回のように停電の可能性がある中、寒さ対策として準備するものを知りたいです。

「おでかけセット」の延長

鈴木さん(以下同じ):まずは防寒具と使い捨てカイロを用意しましょう。カセットコンロもあると、お湯を沸かすなどして体を中から温めることができます。

私は非常用持ち出し袋を玄関とマイカー、職場の3か所に置いています。車の中には軽食や飲み物のほか、お風呂セットやウェットシートなどもあり、使っては補充しています。「非常用」と構えずに「おでかけセットの延長」と考えるといいですよ。大雪などで立ち往生したときにも役立ちます。

「おでかけセットの延長と考えて」と話す鈴木さん

幼い子がいる場合は、いつもの「おでかけバッグ」を「避難バッグ」にしておくのがおすすめ。普段持ち歩いている着替えや飲み物、お菓子などに、非常時に役立つもの(下の表参照)を加えるだけで立派な避難バックになります。

 

必要なものは子どもの年齢や発達状況などにもよると思うので「これがないと困る」というものをプラスしておきましょう。日用品やおもちゃなど普段使い慣れているものであれば、子どもたちも抵抗なく受け入れられます。

鈴木さんが実際に使っているバッグ。おでかけに必要なもの(上段)に加えて ホイッスルやおむつなど被災時に役立つもの(下段)が収められている

ケーブルテレビ富山では乳幼児のいるご家庭のためのチェックリストも作成しています。ぜひ参考にしてください。

 

レポーターの声

高岡市内の実家にいるときに地震が起きました。子どもたちは祖母と机の下に、私は足の悪い曾祖母を椅子に座らせて支えました。井戸水が濁って使えなくなり、水を求めて行ったコンビニはどこも人がいっぱいで売り切れ。大型店舗の方が在庫があったようです。

水や缶詰のストックをはじめ、懐中電灯など防災セットの見直しが必要だと感じています。おむつやカセットコンロもあると便利だと思いました。

レポーターの声

地震発生時は富山市の自宅にいました。私はすぐに台所の火を止め、子どもたちは机の下に入りました。3歳の娘はとても怖がっていて、大人が地震の話をしたり、ニュースが流れたりすると「やめて」と言います。特に携帯電話から鳴る警報音を嫌がっていました。

備蓄をしようと思いますが、家族の人数が多く、どれくらい必要か分かりません。

おすすめはローリングストック

食料の備蓄は最低3日、できれば1週間分あると安心できると言われます。我が家は、普段の食品を少し多めに買い置きし、古いものから食べてその都度補充する「ローリングストック」を実践中。乾麺やカップ麺などの主食に、野菜入りのパスタソースなどを加えて栄養バランスをとるようにしています。

省スペースで済みますし、子どもに慣れさせることができるというメリットもあります。ティッシュやトイレットペーパー、おむつなども「少し多めに」を心掛けるといいですね。

画像提供:PIXTA

私の4歳の娘も、余震が頻繁に来たため、不安そうな日々を過ごしていました。抱きしめてあげたり、手をつないであげたりして、安心できる環境をつくってあげることが大切なのかなと感じているところです。

鈴木佑実(すずき・ゆみ)1989年、静岡県生まれ。富山県防災士会所属。NHKキャスターを経て2022年からケーブルテレビ富山勤務。命を守る防災情報をシリーズで伝える「防災スイッチON!とやま」の番組ナビゲーターとして、富山の防災情報を取材・発信している。

防災スイッチON!とやま
コミチャン9ch 毎日7:30/17:30ほか
■HP:https://ctt.ne.jp/comichan/bousai/
■YouTube:https://www.youtube.com/playlist?list=PL6_ShUmOdTom-VeIVxnPPI64A1U6SXoZc
※番組では「赤ちゃんの防災」なども取り上げている。YouTubeでアーカイブ公開中。