カニが旬を迎えた。富山湾のズワイ、ベニズワイともおいしそうだが、値段が高く、手が出ない。ならば自分で取りに行こうか。本紙の金曜ミーツ「天然ナメコを探す」の記事にも触発され、自然の恵みを酒のあてにしようともくろんだ。

高級品のズワイガニ。うまいが高い
目指すは魚津市西部を流れる角川。この小さな川にカニがいると知人に聞いた。稚アユの放流で5月に取材へ出向いたこともある。

角川の中流にカニ籠を仕掛ける
川を管轄する呉東内水面漁協に一応確認すると、アユやイワナと違ってカニの捕獲に鑑札(遊漁券)は不要とのこと。「密漁」とはならない。

手作りしたカニ籠。青い袋に魚の「ざん」を入れる
知人に教わったやり方で簡易的なカニ籠を作り、角川中流に移動。山の紅葉は終わりかけ、うらさみしい光景が広がる。魚の「ざん」を入れたカニ籠のひもを岸辺に固定し、川のよどみに放り投げた。

籠に入ったカニ。記者同様?気性は荒い
2日後、籠を引き上げると大ぶりな雄のカニが3匹も入り、テンションが爆上がり。はさみに藻のような毛が生えている。魚津水族館の木村知晴さんに聞くと、モクズガニという種で、県内のほとんどの川に生息し、用水路やドブ川で見られることもある。

「何事か」と散歩中の子どもも興味津々
モクズガニは海で生まれて川を上り、繁殖期に河口域へ下る習性がある。中華料理の超高級食材で知られる上海ガニの親戚とされ、素人が外見で見分けるのは難しいほど似ているという。

ゆでた上海ガニ。モクズガニと区別がつかない=上海市内のレストラン
上海ガニは10年ほど前、わが心の古里・新宿歌舞伎町の怪しい店でサソリやカエルと一緒に
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