県内では3日に初雪が観測され、本格的な冬が到来した。新潟地方気象台が発表した北陸の12月から来年2月の3カ月予報によると、降雪量はほぼ平年並みの見込みで、今冬も除雪機が活躍しそうだ。しかし、除雪機は便利な一方で、使い方を誤ると命に関わる重大事故につながる恐れがある。

 独立行政法人製品評価技術基盤機構(東京、NITE=ナイト)によると、除雪機による人的被害が出た事故の報告は、2015年度から24年度までに38件あった。この間に富山県からの報告はなかったが、北海道や新潟県といった豪雪地帯で被害が多発しており、県内でも同様の危険性がないとはいえない。事故件数は12月が最も多く、試運転や使い始めの際には特に注意が必要だ。

原因の8割「誤使用・不注意」 大半が重大事故に

 NITEによると、事故38件のうち約8割の29件が、使用者の誤った使い方や不注意が原因だと推定されるという。そのうち、28件は死亡や重傷に至る重大事故だった。製品の故障ではなく、使用者の正しい行動と判断で防げた事故が大半だ。

事故事象・被害状況別の発生件数。( )内は誤使用・不注意が原因と推定されるもの(提供:NITE)

事故事例

除雪機の下敷きに
 2022年2月、山形県の60代男性が除雪機の下敷きになった状態で発見され、死亡が確認された。後進時に作動する非常停止装置(緊急停止バー)が意図的に取り外されていた。後進中に使用者が転倒し、除雪機が緊急停止せず下敷きになったとみられる。

残り1009文字(全文:1635文字)