クリスマスシーズンが近づいてきました。特別な時間を過ごしたい人は多いはず。そんな時に選ばれるのは、コース料理。巻頭特集は、提供する新店やリニューアル店に焦点を当てます。ゼロニイはリニューアルして1周年。ゲストも迎え、より楽しめる方法を聞きました。コース料理の今を、味わいに行きましょう。(情報は取材時の内容です)

「先付」 刺し身湯葉のしゃぶしゃぶ。ユズの釜とイチョウをかたどった御深井焼(おふけいやき)の器で秋を演出

「椀物」 氷見のベニズワイガニとホウレン草、ユズの3色の彩りが美しい

「お造り」 新鮮なアオリイカはとろけるような甘み
のどかな田園風景に映える朱色ののれんをくぐると、大将の松木和也さん(50)と女将の茜さん(45)が穏やかな笑顔で迎えてくれる。ミシュラン一つ星の京都の名店が、4月に砺波市鷹栖の古民家に店を移した。

「お凌ぎ」 栗やムカゴなどの秋の味覚ともち米を、香りの良いわらづとに入れて蒸した

「強肴」 砺波の大和芋を米油で揚げ、舌の上で雪のように溶ける「淡雪塩」を散らした

「八寸」 海と山の幸を一皿に。この日は自家製のカラスミやユリ根のから揚げなど5品。写真は3〜4人前
氷見漁港の朝競りや道の駅に自ら足を運び、厳選した食材の持ち味を繊細な技で引き出す。「だしに使うかつお節はお客さまがいらっしゃる直前に削っています。削りたての香りを楽しんでもらいたくて」と和也さん。食材と向き合い工夫を凝らした料理の一つ一つに、大将と女将のもてなしの心が宿る。

「焼き物」 脂がのった氷見のサワラは肉厚でしっとり

「炊き合わせ」 わんのふたを開けると、湯気とともに春菊の爽やかな香りが立ちのぼる

「御飯」 上品な甘みの山形産米「つや姫」の上にタイを敷き詰め、土鍋で炊き上げた

「菓子・抹茶」 抹茶は苦みが少なくまろやかな口当たり。美しく整えられた庭園を眺めながら余韻に浸りたい

※「ご昼食」、「ご夕食」の一例(1人24,000円、要予約)
撮影:竹田泰子