クリスマスシーズンが近づいてきました。特別な時間を過ごしたい人は多いはず。そんな時に選ばれるのは、コース料理。巻頭特集は、提供する新店やリニューアル店に焦点を当てます。ゼロニイはリニューアルして1周年。ゲストも迎え、より楽しめる方法を聞きました。コース料理の今を、味わいに行きましょう。(情報は取材時の内容です)

「パリソワール」 コンソメジュレをパリの夕暮れに見立てたロマンチックなアミューズ。爽やかな香りをまとったセロリのピューレをのせて

「パテ・ド・カンパーニュ」 豚のひき肉やレバーなどにポートワインを加えて焼き上げる

「ホタテのフランとロブスター アメリケーヌソース」 前菜の一種として提供される洋風茶碗蒸し。ホタテのうまみをアメリケーヌソースのこくがまとめ上げる
シェフの林修史さん(58)は、料理はもちろんパンやデザートに至るまで手間を惜しまず、クラシカルなスタイルのフランス料理を作り出す。昨秋、富山市の街中から砺波地区の自然豊かな公園に移転。まきストーブを備えたシックな空間には、ゆったりとした時間が流れる。

「ごぼうのポタージュ」 ゴボウの滋味を生かしたスープは、優しい味わいに心が解きほぐされる。手作りのフォカッチャやカンパーニュもじっくり楽しみたい

「カンパチのポワレ」 地元産カンパチにビーツのピューレとサフランソースを添えて。鮮やかな色彩に目を奪われる

「越中万葉牛のフィレステーキ 五穀米のリゾットにのせて」 きのこのフリカッセやトリュフ、マデラソースをあしらった。ステーキの肉質はやわらかく、絶妙な弾力を堪能できる
「地元の食材に向き合い、一皿一皿丁寧に調理しています」と林さん。ホテルのパティシエを務めた経験もあり、その感性を生かした料理は、繊細で優しい味わい。多彩な香りや食感が重なり、口へ運ぶたび、心に深く刻まれるはずだ。

「渋皮マロンのタルト ピスタチオのアイス」 芳醇(ほうじゅん)な栗の風味が、さっくり香ばしいタルト生地によく合う

※ディナーの「カドゥー コースB」の一例(1人9,350円、2日前まで要予約)
撮影:南部スタジオ