「甘党の店 竹酔堂」自慢の焼きそば

 魚津市役所のある通りに「甘党の店」との看板がある。扉を開けると香ばしい焼きそばとお好み焼きの匂い。初めて来た人は「あれ甘党の店では?」と思ってしまうこの店、粉もんだけでなく、パフェなど各種甘味も取りそろえている。変わったメニューのルーツは京都・大阪にあり、素材は本格派。多くの魚津市民のおなかを満腹にしてきた店を訪ねた。

 

麺は生麺、もっちもち

 「うちの焼きそば、他と焼き方が違うんです」。店を営む杉森雅一(まさかず)(68)さんと妻の和枝さん(62)が教えてくれた。さて、どう違うのか。

 麺は生麺を使い、注文を受けてからそのたびにゆでて、水洗いして締めてから提供する。生麺だから、もっちもちの食感が楽しめるそうだ。ただ難点もあり、それは「ゆで麺と違い鉄板にくっつきやすいこと」。雅一さんに上手に焼くこつを教えてもらった。

生麺をゆでてしめた麺(左手前)と肉・野菜類

焦らず待つべし

 作ってもらうのは肉焼きそば(2人前1080円)。鉄板でまず肉から焼き、次にキャベツなどの野菜を炒め、塩こしょうする。火が通ってきたら肉と野菜類は鉄板の端に寄せて、いよいよ麺の登場だ。

肉と野菜を手前に寄せ、鉄板の中央に麺を広げる雅一さん

 鉄板の真ん中に麺を入れたら広げて、焼き目を付ける。触らず待つのがポイント。最初からガシガシと勢いよくまぜてはいけない。おなかが空いていても焦らず待つべし。

広げたら触らず待つ

 焼き目が付いたらさっと交ぜ、また広げて焼き目を付ける。これを麺が鉄板に付かなくなるまで繰り返す。肉とキャベツとまぜてソースを絡め、あとはお好みで薬味を入れて完成。

お好み焼きは文字通りお好みで

焼きそばのソースの量はお好みで

 ちなみに、お好み焼きの焼き方は「名前の通りお好みです」と雅一さん。テーブルにはごま、かつお節、のりといった薬味が用意されている。「失敗してもそれはそれで楽しい。ご自由に楽しんで」と話す。

お好み焼き(右)と焼きそば(左)のメニュー

 混雑時は手が回らないので、お店は基本、お客さんに焼いてもらうスタイルだ。頼まれればお手伝いをするけど「土日は難しい」とのこと。雅一さんと和枝さんは「お客さんにご協力いただいております。中には、こちらがビックリするくらいうまく焼く人もいます」と話す。

甘党の店、誕生の秘密

 続いて「甘党の店」らしい甘味をいただいた。人気メニューの抹茶

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