6秒ルール
親もストレスがたまっていますから、ついつい怒ってしまうこともあると思います。そんな時は、「6秒ルール」というのを頭に置いておきましょう。怒りのピークは6秒、そのあとは怒りはおさまってきます。ですからこの6秒を何とかすれば怒らなくてすむのです。
カッとしたら、とりあえずトイレに行って6秒数えるとか、台所に行って冷たい水を一杯飲むとか、窓を開けて外の空気を吸うなど、少しシチュエーションを変えると怒らなくてすむかもしれません。
しかしついつい子どもにキレてしまうのは、それだけ毎日一生懸命子どもに関わっている証拠。親御さんが子育てを頑張っている証拠なのです。そういう自分をぜひほめてあげてほしいと思います。そして親御さんも少し肩の力を抜くというか、ひらたくいうと「あきらめる」ことも必要です。
信頼できる情報に1日に1度か2度、接するだけでいい
テレビやネットなどで、ネガティブなニュースを見たり聞いたりすると、必要以上に不安になったり、怖くなったりすることがあります。そういう場合には、そのような情報に接する機会を最小限にしてください。1日に1度か2度で十分です。信頼できる情報源から情報を得るようにしてください。
子どもが怖がる時には、そのようなニュースはなるべく見せないようにしてください。噂ではなく、事実と科学的に正確な情報に従って行動しましょう。そのすることで不安が和らぎます。
親自身のケアも大切に
大人もみんなが我慢しているし、不安になっています。不安について大人同士で話し合ったり、趣味に打ち込んで気分転換をしたり、リラックスできる時間を持つようにし、自分のケアも大切にしてください。時には人の力を借りることも必要です。
悪いのは、人ではなく、ウイルス
このウイルスは、すべての国の、あらゆる人が感染する可能性があります。どんな状況にいたとしても感染する可能性はゼロではありません。悪いのは、人ではなく、ウイルスということを、心に留めておきましょう。
誰かを攻撃したり八つ当たりしたりすることで、不安やストレスを発散したくなることがあるかもしれません。しかしネガティブな感情は、循環して自分にまた返ってきます。ですから、ウイルスを持った人を非難したり、攻撃したりするのではなく、共感と思いやりを持って接しましょう。そして事実は事実として、お互いなるべく希望の持てる話題を共有するようにしましょう。
明橋 大二(あけはし・だいじ)
真生会富山病院心療内科部長、「子育てハッピーアドバイス」シリーズ著者
1959年、大阪府生まれ。 京都大学医学部卒業。 国立京都病院内科、名古屋大学医学部付属病院精神科、愛知県立城山病院をへて現職。
精神保健指定医、小学校スクールカウンセラー、高岡児童相談所嘱託医、NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長。専門は精神病理学、児童思春期精神医療。