新学期に入っても、収まる気配のない新型コロナウイルス感染症。富山県内でも5~11歳の子どもに対するワクチン接種が本格化しています。「感染は怖いけど、副反応は大丈夫?」などと悩んでいる人も多いのでは。

子どもの接種について、富山のパパ、ママはどのように考えているのでしょう。富山市でこのほど行われたアンケート調査の結果をご紹介します。

アンケートを行ったのは、富山市立学校新型コロナウイルス感染症対策検討会議(※)。今年3月、市内全ての市立小学校の保護者に依頼し、約7300人から回答を得ました。

子どもの年齢は6~12歳と、まさに接種の対象世代です。

接種の方針はさまざま

「現時点(3月4~11日時点)でお子さんは接種する予定ですか?」という設問に対して、既に接種した人が1割弱いました。「すぐに」「できれば」接種させたい人は合わせて3割。一方で「できれば接種させたくない」「接種させたくない」人も合わせて3割いました。「まだ決められない」人も3割いて、接種に対する考え方は、家庭ごとにさまざまであることが分かります。

「すぐに」「できれば」接種させたいと回答した人に、その理由を尋ねたところ、「病気が怖い」「周囲に感染を広げたくない」が上位を占めました。

一方、「できれば接種させたくない」「接種させたくない」「まだ決められない」と回答した人の主な理由は、「副反応が怖い」「情報が不足している」でした。

コロナワクチンに関する情報は、不足していると感じている人が多いようです。

子ども自身は消極的

当事者である子ども自身はというと、「できれば接種したくない」「接種したくない」と考えている子が合わせて半数を超え、消極的であることが分かりました。

保護者への質問では「できれば」も含めた「接種させたくない」派は、全体の3割でしたから、親子でも考え方が異なるケースがあると分かります。アンケートを実施した富山市立学校新型コロナウイルス感染症対策検討会議は「子どもの気持ちも大切にしたい。正しい情報を基に家庭内でよく話し合い、本人も保護者も納得の上で対応を決めてほしい」と呼び掛けます。

それぞれの考え尊重を

一連の結果に対し、検討会議は「各家庭で接種に対する方針は異なる。一番大切なのは、それぞれの考えを尊重し、認め合うこと。『接種した』『しない』でもめないように注意してほしい」と強調します。

また、回答者の7割が「情報が不十分」と感じていることを受け、今回の調査で寄せられた質問、不安に対する回答を中心に、コロナワクチンの最新情報をリーフレットにまとめて発信しています。「子どもにはどんな副反応が出るの?」「効果はどれくらい続く?」など、知っておきたい情報が満載です。

これまでの発行号も含め、富山市教育委員会・学校保健課のHPで紹介していますので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

※富山市立学校新型コロナウイルス感染症対策検討会議(座長:種市尋宙富山大学小児科講師)
小児科医ら医療と教育の専門家がタッグを組み、2020年5月にスタートしたプロジェクト。子どもたちの日常を取り戻すため、最新の医学的知見に基づいた対策を検討し、推進しています。