Bリーグ2部(B2)の富山グラウジーズは10日から、2024-25シーズンのB2プレーオフ準決勝、ライジングゼファー福岡戦に臨む。福岡県開催で完全アウェーとなるムードの中、2勝を挙げ決勝進出を果たすことができればB1昇格が確定する。ホームとなるありそドーム(魚津市)で3~5日に行われた準々決勝では、地元ブースターの後押しを受け、ベルテックス静岡を2勝1敗で退けている。負ければB2残留となる5日の第3戦、序盤から主導権を握ることができた背景には、トーマス・ケネディや宇都直輝ら中心選手の献身があった。

リバウンドが勝負のカギに
3日の第1戦は、富山が81-63で制した。第2クオーター(Q)までシーソーゲームだったが、第3Q開始直後から富山が10点連取で引き離すなど持ち前の攻撃力を発揮している。4日の第2戦は、試合開始直後から静岡の攻守両面におけるアグレッシブな姿勢に押され、常にリードを許す展開に。僅差に持ち込むことができないまま75-82で逃げ切られた。
3ポイントシュート成功率は、第1戦が富山21・7%、静岡20・7%。第2戦は富山18・2%、静岡28・6%と、試合結果に大きく影響はしていない。明暗を分けたのはリバウンドだった。第1戦はトータルで富山が50を記録し、37だった静岡より優位に立っている。逆に第2戦は静岡49に対し富山は35と、ペイントエリア内の攻防が第3戦のカギを握るのは明白だった。

危なげない戦いぶりで90-74と勝利した第3戦、富山は計44リバウンドを獲得し、26だった静岡を大きく上回った。富山のユージーン・フェルプスのシーズン平均リバウンドは10・0で、チーム内1位、リーグ6位の好成績を誇る。この第3戦でも両チームトップの12リバウンドを挙げ、実力を示した。一方で、ペリメーターを主戦場とするトーマス・ケネディもまた、富山のインサイド制圧に貢献している。
異彩放つケネディの「シュートゼロ」
ケネディは第1Q、試合開始から6分22秒後に交代でコートを退くまで、一度もシュートを放たなかった。