Bリーグ2部(B2)の富山グラウジーズは5月3日から、2024-25シーズンのB2優勝を目指しプレーオフに臨む。東地区2位となり準々決勝のホーム開催権を得た富山は、魚津市のありそドームで西地区3位のベルテックス静岡を迎え撃つ。静岡の中心選手としてプレーする橋本尚明は17-18シーズン、当時B1だった富山に在籍し、アグレッシブな姿勢や快活な人柄でブースターの人気を集めた。いま望むのは、プレーオフ決勝進出の2チームがつかめるB1昇格と、B2福井ブローウィンズにスタッフとして属する長男・脩愛(しゅうあ)との「再戦」だ。

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静岡の一員として、富山市総合体育館のコートに戻ってきた橋本 素材提供:(C)B.LEAGUE

静岡のHCは宇都・馬場を指導

 静岡市をホームタウンとする静岡は18年に創設され、19-20シーズンからB3に参戦した。22-23シーズンに準優勝したことでB2昇格を果たしている。昨季は西地区4位(ワイルドカード)でプレーオフに進出したものの、準々決勝でアルティーリ千葉に連敗を喫した。

 昨季まで4年間、静岡を指揮していたアルゼンチン出身のヘッドコーチ(HC)が退任し、今季は後任に森高大(たかひろ)を据えている。森はBリーグ初の東大出身HCで、米国のウエストバージニア大大学院でコーチ学を学ぶなど、異例ずくめのキャリアを歩んできた。15―16シーズンから9年間、アルバルク東京で指導に携わり、最初の1年間は宇都直輝(現富山)、途中の2年間は馬場雄大(富山第一高出、現B1長崎ヴェルカ)と関わりを持った。

かつて富山のチームメイトとして切磋琢磨した宇都(右)とマッチアップした橋本 素材提供:(C)B.LEAGUE

 米国の事情に詳しい森は、NBA入りに挑み続ける馬場にとって貴重なアドバイザーだったことだろう。その点を森に聞くと「米国で彼にはいろいろな葛藤があったと思います。アルバルクに求められたものとは違うものが求められたことでしょう。その変化に、適応する力を彼は持っていますので、自分をうまく成長させているのではないでしょうか。今も長崎でアメリカ時代とは全く別の役割を担っていると思います」と述べた。

富山・佐野コーチと橋本の縁

 今季の静岡は、平均得点が77・7でリーグ14チーム中11位。一方、平均失点は75・5で同3位の少なさだ。富山は平均得点88・4(同2位)、平均失点82・4(同12位)と、チームの特性は真逆といえる。

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