おやつから工芸品まで、富山ならではの逸品を紹介します。(情報は取材時の内容です)

「幻のあか 500g」(3,500円)は数量限定品で消費期限は3日間。製造日の翌日以降はさらに味がなじむため、手土産にも最適だ
江戸前ずしで使う「赤シャリ」を取り入れた、新しいますずしが誕生した。立山町と富山市に店を構える寿し工房大辻の「幻のあか」だ。
脂の乗った艶やかなマスの身に包丁を入れると、ほんのりと琥珀(こはく)色に染まったすし飯が姿を現す。酒かすを発酵させた赤酢の色だ。すし飯の側面や裏側まで肉厚なマスで覆うぜいたくな作りで、とろけるような身の甘みを赤シャリのまろやかで香り高い風味が支える。
「一目で違いがわかる新しいますずし」を目標に開発に取り組んだ。すし飯に手を加えるのは初めてだった。赤酢が多いとマスが締まりすぎる。少なければ色が出ない。試行錯誤を重ね、数種の赤酢と甘酢が調和する絶妙なバランスにたどり着いた。
「食べ比べて、ますずしの多様性を知ってもらうきっかけになれば」と運営会社・事業本部部長の田中善光さん。地酒と共に味わいたい。

「炙り小ます寿し 350g」(2,300円)は、表面の脂を落とすことでマスのうまみを凝縮させている。どちらも一貫して職人の手作業で仕上げられている

撮影:南部スタジオ
