昭和20~30年代、映画は娯楽の中心であり、県内でも多くの映画館が立ち並んだ。高岡市立博物館の企画展「映画ポスター・チラシ展」や本紙記事を通し、映画黄金期の面影をたどる。

 大正から昭和にかけ、都市部を中心に近代化の波が押し寄せた。蓄音機や雑誌が普及するとともに、芝居や歌舞伎などの大衆演劇に代わって映画が娯楽の中心となった。こうした中、高岡市内初の常設映画館として1914年、八千代館(堀上町)がオープンした。その後、各映画会社の系列映画館が全国で増加する。

現市域に13館あった

 1937年には高岡劇場(末広町)が開館し、「高劇(こうげき)」の名で親しまれた。隣接の姉妹館・高岡文化ニュース劇場(1940年~)は、時局を伝えるニュース映画を主に扱い、戦時中は戦意高揚色の強い作品も上映した。

「高劇」の名で親しまれた高岡劇場(1938年、高岡市蔵)
高岡文化ニュース映画劇場のポスター。サンフランシスコ万博(1915年)やロス五輪(1932年)に関する作品などを列記している(1941年、高岡市立博物館蔵)

残り1153文字(全文:1605文字)