深く考えさせられる重いテーマ

 寒さが募り、天気予報でも雪だるまマークが目につくようになった。外に出るのが何かとおっくうになる年末年始は、温かい部屋でお気に入りの絵本をめくるのも乙だ。子ども向けと思われがちだが、イマドキ絵本って世相を反映したり風刺が効いていたりと、大人も深く考えさせられる結構重いテーマのものもある。工夫を凝らした匂い立つような描写や広い余白は想像力をかき立てる。カラフルで滋味あふれる絵は読み手の心に寄り添ってくれるようだ。

 スマホとのにらめっこを続けると脳に余計な情報がたまり続け、疲労を招くとされている。年末年始は味わい深い絵本で脳内を「デジタルデトックス」してみては。

ダラダラスマホは脳疲労を招く恐れも

活字に親しむ取っかかり

 今回訪れたのは1994年にオープンし、30歳の節目を迎えた射水市大島絵本館。野原のような明るい造りをコンセプトとした空間は、区切られることなく緩やかに全体がつながっている。

伸び伸びとした明るい空間

 訪れた親子連れが、思い思いに絵本をめくりながら談笑していた。寝転んだり走り回ったりする子の姿も。地域に根差す「知の基盤」でありながら、本当に原っぱのようだ。

楽しげに絵本をめくる親子連れ

 真偽はともかく方々から膨大な情報が押し寄せてくる現代、あえて絵本を手に取る意義とは? 

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