さあ、新しい年がやってきます。2024年は災害から始まり、物価高もあって、大変なことばかりでしたよね。時にはぜいたくに過ごしたい。そう思う人は多いのでは? ホテルや宿泊施設を備えるレストラン・オーベルジュ、旅館の特別なランチで、いつもとは違う、リッチなひとときを楽しみましょう。泊まらなくても食事を楽しめる宿を中心にご紹介します。(情報は取材時の内容です)

桜ケ池クアガーデン
レストランJOHANARE(ジョウハナーレ)(南砺市)

温泉とこだわりの料理に 身も心も満たされる

「里山松花堂御膳」(2,200円、月・水曜は休み)
焼き物と炊き合わせ、刺し身、天ぷらで構成。畑醸造(小矢部市)の無添加の調味料を使い、食材の持ち味を引き出した。天ぷらはヒレカツに変更できる

砺波平野を望む高台にあるオーベルジュ。眺めのいいレストランで食事を楽しんだり、天然温泉とスパで日頃の疲れを癒やしたりと、身も心も満たされるようなひとときを過ごせる。

「ジョウハナーレ自慢の洋食ランチ」(1,980円、火・木曜は休み) と「ケーキセット」(500円)
メインは3種類から一つ選べる。写真は「南砺ポークのグリル さつまいもピューレとりんご」。じっくり焼き上げた南砺ポークはジューシーでやわらかい

レストランでは和食やフレンチ、スイーツなど多彩なメニューを用意しており、各分野の専門のシェフがこだわりの一品を振る舞う。ランチには地元農家から仕入れる野菜を中心に使用。「里山松花堂御膳」は、近海でとれた海の幸や冬野菜の炊き合わせなど、旬の味覚を彩りよく詰め合わせた。素材を生かした料理の数々をゆったり味わいたい。

和食担当で板長の吉岡和彦さん(左)、フレンチシェフで料理長の大橋光一さん

民宿うな新(黒部市)

熟練の焼きの技術で おいしさを引き出す

「鰻重 松」(4,500円、2日前までに要予約)
鮮度のよい国産ウナギを1匹丸ごと使用した。「冬のウナギは脂がのっておいしいですよ」と店主

店主の松井守さんが家族で営む「民宿うな新」は、ウナギ料理が自慢の宿。予約制のランチ営業も行っており、上質な国産ウナギを使ったうな重が楽しめる。蒸さずに直火で焼き上げる関西風のかば焼きで、皮はパリッと香ばしく、身はとろけるようにやわらかい。ウナギの繊細な味わいと自家製ダレのまろやかな甘さが調和し、一口、また一口と食べ進めたくなる。

客室の一例(1泊2食付き、1人8,500円〜)
手頃な価格で利用できることから長期滞在する人も多い。夕食では、うな丼や旬の地魚の刺し身、手打ちうどんなどが楽しめる

おいしさの決め手は、50年にわたり守り継がれてきた焼きの技術。じっくりと火を入れながら、ウナギの個性や状態に合わせてベストな焼き加減を見極めるのだそう。熟練の技による伝統の味を堪能して。

店主の松井守さん(左)、娘の由紀子さん

清八楼(入善町)

風情ある庭を眺めながら個室でゆったり

「ランチ」(平日3,300円、土・日曜、祝日3,850円)
米や野菜、海の幸など地元の恵みを生かした。写真は一例

重厚な柱や梁(はり)、つややかな板張りの床。ロビーに足を踏み入れると、歴史を重ねた風合いに引き込まれる。明治中期創業の料理旅館。風格ある建物は新潟県糸魚川市の豪農の屋敷を明治期終わりごろに移築したもので、広大な回遊式庭園も見どころの一つだ。木々に施された雪つりが冬の風情を漂わせる。

夜の会席料理の一部(5,000円〜、税・席料別)
「がんこのちり蒸し」、「帆立の蟹味噌焼き」など、素朴な味わいに心が安らぐ

料理は昼夜ともに個室で提供しており、リラックスして食事を楽しめる。ランチは刺し身や炊き合わせ、焼き物など素朴ながらも滋味深い料理が並ぶ。旬の素材の持ち味を丁寧な技術で引き出し、季節の移ろいを伝える。美しい庭を眺めながら、くつろぎの時間を過ごしたい。

左から長女の藤井安紀(あき)さん、女将の岩場恵子さん、4代目の純夫さん、次女の文野(あやの)さん

撮影:南部スタジオ、さいとう写真事務所、竹田泰子