11月30日~12月1日に実施する「うみとやまローカルラボ2024ツアー秋編」で会いに行くローカルプレイヤーを紹介します。

閑乗寺公園スタッフ イラストレーター
野口 真梨子さん

全国から多くの人が思い思いの余暇を求めて集う、閑乗寺(かんじょうじ)公園。日本の原風景と呼ばれる砺波平野の散居村が四季折々の美しい景色を魅せてくれる展望スポットでもあります。閑乗寺公園のスタッフとして憩いの場を育みながら、イラストレーターとして活躍する野口真梨子さんにお話を聞きました。

ー閑乗寺公園での活動について教えてください。

ご縁があって6年前の2018年に地元の方にお声掛けをいただき、「閑乗寺公園を盛り上げることで地域を元気にしていきたい」という思いで運営のお手伝いを始めました。私は受付や事務業務の他にも、パンフレットやマップの作成などのデザイン面のサポートを行っています。

2022年6月からはヤギの飼育も始まり、現在はカンタロウ・ジョーイ・テラミス・ベスの4頭を世話しています。幼い頃から動物が大好きで、以前は動物園の飼育員としてハムスターからライオンまで幅広い種類の動物と触れ合う仕事をしていました。その経験も生かせていると感じています。

 

ーお客さんとの交流や閑乗寺公園での活動を通して地域について改めて思うことはありますか?

閑乗寺のスタッフになった当初はキャンプにあまり興味がなかったのですが、楽しそうなお客さんを見ているうちに自分もやりたくなってきて、今では愛犬と一緒にキャンプを楽しんでいます。閑乗寺から眺める地域の美しい景色が、より誇らしく思えるようになりました。

キャンプを楽しみに来る人、鳥を見に来る人、アニメの聖地巡礼で来る人、海外から登山に来る人など、さまざまな目的をもって閑乗寺公園で過ごしてくれるみなさんから学ぶことも多いです。自分にはなかった新しい視点で地域の魅力を再認識できています。

 

ー閑乗寺公園での活動と並行してイラストレーターとして活躍中の野口さん。イラストをお仕事にしたきっかけや、地域での創作活動を始めた時のことを教えてください。

イラストレーターになったのは、8年前に趣味で描いていた動物のイラストをWebサイトで受注し始めたことがきっかけです。動物とのふれあいを求めてオーストラリアで2015年から一年間暮らした際に、生活費を稼ぐためにチャレンジしてみました。

最初は個人での制作販売を行っていましたが、2018年に高岡市にオープンしたコワーキングスペース「COMSYOKU(現在は休業中)」での出会いのおかげで、より多くの人たちの目に触れてもらえる作品づくりが叶っていきました。当時、富山県内ではコワーキングスペースがまだ珍しく、コミュニケーションもどちらかというと得意ではないのですが興味があって足を運んでみました。他業種のみなさんとの交流を通じて普段描かないようなイラストに挑戦したり、グループ活動を楽しんだりと良い交流の機会になりました。この場所での繋がりが、富山市のコワーキングスペース「HATCH」や射水市のお魚専門シェアキッチン「minato kitchen」、氷見市の「湯の里いけもり別館天座AMAZA」でのウォールアート制作に繋がりました。

 

ー以前、うみとやまローカルラボツアーで「minato kitchen」を訪れた際に、ご参加のみなさんがウォールアートを写真に収める姿もたくさん見受けられました。現場での制作はいかがでしたか?

「minato kitchen」の作品は、最初は力強いイメージで制作を進めていました。でも実際に現場を見てみると、窓からキラキラと差し込む光の効果で壁が水槽のように見えたんです。それで絵本のような幻想的な雰囲気が合うと感じ、海の中にいるような気分になれる柔らかな雰囲気に仕上げました。普段はデジタルでの制作が多いですが、現場で絵の具を使っての制作は一発勝負の楽しさがあり、やり直しが効かない分思いがけない良い色味が生まれることもあって、リアルな場ならではの作品づくりの魅力を感じましたね。

 

ーこれからの展望について教えてください。

創作活動では、今年の秋に南砺市内で高校の同級生と二人展を開催し、地域のみなさんに作品を見ていただけるような機会づくりに挑戦していきたいと思っています。

閑乗寺公園については、キャンプブームが落ち着いてきている傾向が見受けられることもあり、キャンプ以外の新たな楽しみ方を提供していきたいと考えています。以前オーストラリアで観光客を対象とした乗馬ツアーのガイドをしていたこともあるので、その経験を生かして地域の自然資源を見て回れるようなツアーなどができると面白いかもしれませんね。

最近は地域の観光協会や他の観光事業の方々と話す機会も増えてきました。閑乗寺公園だけではなく、地域全体で手を取り合って地域の魅力を高めていく必要があると感じています。閑乗寺公園の若手スタッフや地域の方々との繋がりも増えてきたので、一緒に新しい挑戦を叶えていきたいです。

profile  のぐち・まりこ
南砺市出身。動物関係の職をいくつか経験し、27歳の時にワーキングホリデービザでオーストラリアへ。滞在中にイラストの仕事を引き受けるようになり、帰国後は閑乗寺公園に勤務しながらイラストレーターとして活動を開始。デフォルメしつつも特有の形態や骨格を意識した動物のイラストが得意。デジタルイラストの制作を主に、アクリルや水彩絵具でのウォールアートの制作も手掛ける。
文・徳田琴絵(うみとやまローカルラボ ツアーコーディネーター・富山オタクことちゃん)
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富山オタクことちゃんの編集後記
私の活動拠点だったコワーキングスペース「HATCH」でも、作品展示を開催したりウォールアートを描いてくれました。描かれている動物の特徴を嬉しそうにお話してくれて、創作活動を心から楽しんでいる様子が印象的でした。おかげさまで野口さんのウォールアートは、訪れてくれたみなさんが「わあ!」と声をあげて思わず写真を撮りたくなる人気スポットになっています!
 
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11月30日(土)~12月1日(日)実施の『うみとやまローカルラボ2024』秋編では、小矢部市・南砺市(井波・福光)で地域活性に取り組む“ローカルプレイヤー”の皆さんに会いに行く学びの旅を開催します。皆さんのご参加をお待ちしております。
お申込みはこちらから(11月11日まで) ※終了しました。