波田 賢也 氏
株式会社インテック
ICTプラットフォームサービス事業本部
副本部長兼DCサービス事業部長
1992年にインテック入社。メインフレーム、Web系システムの開発維持管理、システムアーキテクト、プロジェクトマネージャーを歴任。2016年からデータセンターシステム運用責任者。18年に防災士の資格を取得。23年より現職。
安心・安全のICT活用に向けて
コンピューターはネットワークの技術により、電気やガス、水道のように身近な存在になりました。当社では幅広い業界・業種のお客様へ、データセンターやネットワーク、クラウドサービスなど最適なIT環境を提供しています。近年はホログラフィック通信プラットフォームや家庭のエネルギー管理システムなど新領域も拡大させています。サステナビリティを重視し、健康経営や環境保全活動にも力を入れ、一人ひとりが安心して働ける環境づくりを行なっています。
ICT活用は便利であると同時に、使い方を誤れば脅威にもなり、リスク対策が欠かせません。国内のランサムウェア被害は警察庁が把握しているだけで222件(令和6年)あり、攻撃ツールのビジネスモデルも確立されています。攻撃を受ければシステムが完全に停止し、あらゆる事業の継続が難しくなります。復旧には、事前に3‐2‐1モデルに基づいたバックアップをしておくことが不可欠です。これは本番データ以外に2つのバックアップデータを作り、合計3つのデータコピーを持ち、そのうち一つは遠隔地に保管するというものです。万が一攻撃を受けても、データが救いやすくなります。またフィッシングや詐欺被害の手口も AI活用によって巧妙化しており、動画やメールの偽装も増えています。攻撃から身を守るには、多要素認証の導入や証明書によって暗号化されている通信の仕組みを作るなど、セキュリティの高い対策を講じる必要があります。
AI活用による電力不足も課題です。 チャットGPTの場合、1回のクエリ(質問)で通常の検索の約10倍の電力が消費されます。AIを活用するには膨大な電力が必要で、利便性を追求すればするほど環境負荷が増大するというわけです。そこで注目されているのがNTTの次世代通信ネットワーク「IOWN」です。従来の光通信とは異なり、光電変換のロスを最小限にし、光ベースでの伝送や処理を大幅に拡張する技術です。低消費電力で高速・大容量通信化が可能となるため、当社も5月に「IOWN」技術の商業化と普及、通信インフラの革新を目的とするIOWN Global Forumへ加入しました。
そして自然災害リスクも忘れてはなりません。豪雨や猛暑は年々深刻化し、いつどこで地震が発生するか分かりません。富山、東京、大阪の計9カ所にあるデータセンターは自然災害対策の最前線にあり、浸水対策や冷却システム、耐震設計を駆使して災害に備えています。今後もインテックは、設立の地である富山で活躍し続けます。
【 問い合わせ先 】
株式会社インテック
TEL.050-1704-0611