11月30日~12月1日に実施する「うみとやまローカルラボ2024ツアー秋編」で会いに行くローカルプレイヤーを紹介します。

小矢部RED OX 広報
岡村 光晶さん

小矢部市がホッケーのまちとして有名なのはご存知でしょうか。日本では競技人口がまだまだ少ないですが、小矢部市内には日本最高峰のリーグに加盟する社会人チームや県立高校には男女ともにホッケー部があり、小矢部の子どもたちにとってホッケーは身近なスポーツとなっています。そんな小矢部市でホッケーチームの広報として活躍している岡村光晶さんにお話を聞きました。

ーホッケーや小矢部RED OXとの出会いについて教えてください。

高校生まで陸上競技の長距離走を続けていましたが、大学進学後に新しい挑戦を求めていた時に、ホッケー部に所属する高校の先輩の紹介がきっかけでホッケーに興味を持ちました。大学の4年間はひたすらホッケーに打ち込みました。卒業後もその情熱を捨てきれず、地元に戻ってからもホッケーを続けていました。兵庫ではホッケーの技術を高められる環境がまだまだ整っていなかったため、岡山や鳥取など近県で練習を重ねていました。そんな時に「小矢部RED OX」の補強選手として活動していた鳥取の選手に現在の監督である沼田秀樹さんを紹介していただき、小矢部RED OXの選手として活動がスタートしました。

 

ー縁もゆかりもない地域への移住は大きな決断ですよね。富山県への移住はいかがですか?

体育の教員になりたいという夢もあったのですが、ホッケーを続けたいという気持ちが強くなり、2011年に小矢部市へ移住しました。石川県出身の妻の地元との距離が近く、将来の暮らしを見据えることができたことも大きな決め手となりました。

地域のみなさんがあたたかく、本当に富山はいいところです。最初はシャイな地域なんだなと思いましたが、少し時間をかけて打ち解け合えれば、とても居心地のいい地域だと感じています。地域に住んでいる人たちは謙虚ですが、富山のことをもっと誇りに思ってもらいたいですね。

 

 

ー広報という立場でチームをサポートする立場を選んだのはなぜですか?

ホッケーはチームスポーツですが、私にとっては個人競技の延長線でもあります。自分自身の技術を向上させることでチームプレーも良いものになり、チームに貢献できるということにやりがいを感じていました。しかし、小矢部のホッケーの基礎力の高いレベルの中で、大学から始めた私の技術ではなかなかプレーヤーとして活躍するのは簡単ではありませんでした。それでも自分がどうやってチームに貢献できるかを模索し、技術の向上も努力を続けながら、チームのサポート業務も積極的に行ってきました。

33歳で選手を引退した後もホッケーに関わり続けられる方法はないかと考え、育児に専念した後の35歳から広報としてチームのサポートをしたいと活動を始めました。

 

ー広報としての活動では、どんなことを意識していますか?

広報については、家庭や仕事との両立を図りながらボランティアとして活動しています。限られた時間とリソースの中でも、もっと応援してもらえるチームになるためにはどうすればいいのか、日々試行錯誤をしています。例えばサッカーやバスケットボールの試合のように、ホッケーの試合にも多くの方々に足を運んでもらいたいと思っていますが、実際は容易ではありません。ホッケーというスポーツへの解像度を高めて親しみやすく感じてもらうためにも、日頃のSNSではチームの雰囲気や試合風景を中心にどんどん発信していくことを心がけています。

また、“人に会いに来る”というアプローチをつくりだすことが一番の方法だと考え、SNSでの発信や交流、富山県内でご活躍中の方との積極的な交流からの繋がりづくりにも取り組んでいます。ホッケーを知っていただき、私を窓口に気軽に試合に足を運んでもらえれば嬉しいですね。近年は県内の他のスポーツチームとも繋がりが生まれ、ホッケーが少しずつ県民のみなさんにも注目されるようになってきたのかなと感じています。試合会場に会いに来てくれる人が一人でも増えるといいなと思っています。

 

ーこれからの意気込みは?

小矢部RED OXは20年以上名前を変えることなく続いているチームです。ひとつの名前を守り続けて活動をしているということは、実は全国でも珍しいことです。変化が目まぐるしい現代でも、ホッケー界のひとつのブランドとしてこれからも守り続けていきたいと思っています。“続ける”ということは、当たり前のようで、すごいことだと思っています。この素晴らしさをより多くの人に知ってもらえるように、今ある環境を大切にしながら、まずは目の前の子どもたちや関わってくれている人たちにホッケーの魅力をコツコツと伝え続けていきたいです。

profile  おかむら・みつあき
兵庫県出身。小さい頃から陸上競技に打ち込み、体育の教員を目指して愛知県の大学へ進学。そこでホッケー競技に出会い、大学卒業後もホッケーの競技力向上を目的として、2011年、ホッケーのまち小矢部に移住。現在は小矢部市職員として働きながら、社会人男子ホッケーチーム「小矢部RED OX(レッドオックス)」の広報を担当する。2022年4月に設立した、子どもから幅広い年代が所属する全世代総合型ホッケークラブ「RED OX OYABE HOCKEY CLUB」のマーケティング部(広報・企画など)としても活動中。
文・徳田琴絵(うみとやまローカルラボ ツアーコーディネーター・富山オタクことちゃん)
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富山オタクことちゃんの編集後記
「ホッケーのまち小矢部」だということはなんとなく聞いたことはあったけれど、実際に試合を観に行ってホッケーというスポーツを目の当たりにしたのは昨年が初めてでした。元オリンピック選手など、素晴らしい技術を持つ多くの人たちが様々なかたちで小矢部のホッケーに携わっているという新発見も。岡村さんと出会ったからこそ、またひとつ新たな地域の魅力を知り、体感することができた瞬間でした。
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11月30日(土)~12月1日(日)実施の『うみとやまローカルラボ2024』秋編では、小矢部市・南砺市(井波・福光)で地域活性に取り組む“ローカルプレイヤー”の皆さんに会いに行く学びの旅を開催します。皆さんのご参加をお待ちしております。
お申込みはこちらから(11月11日まで) ※終了しました。